下戸だけど飲みたい、とつぶやいたら、お相手してくれる人が二人も現れた。
あれよあれよという間に本場の鶴橋で焼肉を堪能することになり、夕刻に待ち合わせ。
二人は初対面だそうなので、勢い私が引き合わせる形になった。
駅前すぐに鯛焼き屋があるので覗き(別項「一輝」)、市場で少し買い物をしてから焼肉屋へ。
三人のうち、まともに飲めるのは一人だけ。
私は最初の一杯だけ葡萄酢のサワーにしたものの、あとは飲まなかった。
盛り合わせ、生肝、塩タン、赤身ロース。
次々と注文しては焼き、箸を延ばしたが、黙々とではないところが女子会たる所以。
他言すると角が立つ内容も一部あったので、話題については記録を避ける。
まあ酒の席の無礼講というほどひどいことも言ってはいないのだが。
派手に盛り上がるということもなく、意外にまったりと食事会の空気だった。
同業つながりとは言え、互いの日常や仕事に接点はない。
だからこそ気楽に食事ができるのかもしれないが。
フリーランスにも勤め人にもそれなりの苦労はあるし、旨みや生きる知恵みたいなものもある。
特にそれをひけらかそうともせず、聞き出そうともせず。
生キャベツと一緒に噛みしめながら、何事も安直に決めつけるものではないなと思った。