たまに行く店で食材の買いだめをしたら、くじをもらった。
当たりが出たら商店街主催の現金つかみ取りに参加できるという。
開けてみると「アタリ」の文字。幸先がいい。
早速その足で商店街の催事場へ。
つかみ取り会場には抽選機(いわゆるガラガラ)の音が響いていた。
受付の人にくじを渡し、聞かれるままに利用店名を答える。
券が1枚なので挑戦できるのも1回である。
出た玉は「小吉」だった。
現金の満たされた箱は4つ。
大吉から末吉まであり、入っている硬貨の種類が違う。
「小吉」の箱には1円玉と5円玉だけが見えた。
つかみすぎて手が出せないと恥ずかしいので、
できるだけ5円玉が多くなるように選別しているつもりで一掴み。
係の人が差し出すつり銭トレイに置くと、番号札を渡された。
「あちらで換金をお待ちください」……換金?
トレイの行く先を目で追うと、現金計数機が控えていた。
待つこと十数秒、番号札と引き換えにレシートのようなものをもらう。
出口にいた人が「167円ですね」とその紙を回収した。
「ではこちらで。200円が入っておりますので」
もらったポチ袋には「お年玉」と商店街の名前があった。
流石に1円玉と5円玉をそのまま渡しはしないのか、と感心。
さらにキリのいい100円単位に切り上げたことにも感心。
現金つかみ取りの常なのかもしれないが、かなり気分がよかった。
そして灯は消えた
先週、近所の弁当屋に初めて行ってみた。
夕飯時だというのに価格表は「品切れ」だらけ。
どうしたのだろうと思っていたら、貼り紙を見つけた。
入居している建物が取り壊しになるため翌日閉店だという。
貼り紙には移転先も仮店舗も記されていない。
案内されている近隣店舗は一駅も離れた隣町だった。
ともあれ弁当を注文すると、
「5分ほどいただきますがよろしいでしょうか」とうまい日本語が返ってきた。
中華圏の日本語旅行代理店で聞くのより数段きれいな日本語だ。
澄んだ声の彼女が厨房に注文を通す。
奥からは揚げ物の音だけが聞こえてきた。
数分後。
「大変お待たせいたしました」と厨房の人が出てきた。
レジ係の彼女には劣るが、やはりきれいな日本語だった。
……名札にあるのは中華圏の人名である。
前から店長一人、アルバイト一人だったそうだ。
湯気の立つできたての弁当を受け取り、料金を渡す。
チェーン店だからなのだろう、二人で千円もかからなかった。
「ありがとうございました」の声に送られて店を出る。
そこに「またお越しください」との続きはない。
なんだか自分が搾取しているような気分になった。
何か悪いことをしてしまったような切なさ。
少なくとも今の自分にはどうすることもできないのだが、このやるせなさはどう解決したものだろう。
この訳文は、いい味を出していると思う。
以下、無料「翻訳」サイトによるその「英訳」
#括弧内は翻訳機能の提供元
Excite(BizLingo)
I think that this translation has put out a good taste.
@nifty/OCN/Infoseek/Livedoor(Amikai)
I think that this translation is taking out the good taste.
Yahoo!(CROSSLANGUAGE)
I think that this translated sentence gives good taste.
フレッシュアイ(The翻訳)
I think that this translation is taking out the good taste.
訳してねっと!
This translation thinks about I put out good taste.
Google/WorldLingo
As for this translation, you think good taste is put out.
思うところあって、やや意地悪な日本語文を英訳させてみた。
「この訳文は、いい味を出していると思う。」
隠れている主語(私)を無料サービスの範疇で見つけられるか?
「思う」の主語「私」を訳出したところは意外にも4例あった。
日本発でないサイトの仕事はと言うと、
偶然にも?Google言語ツールβ版とWorldLingoの訳文が完全一致。
ここでは「思う」の主語が「あなた」になっている。
何か得も言われぬ味を感じる。
光っているのは「訳してねっと!」の結果だ。
何でそうなる。
ご丁寧にも主語が逆転している。
敢えてその「訳してねっと!」作品を他サイトで反訳してみる。
This translation thinks about I put out good taste.
Excite(BizLingo)
この翻訳はハイセンスに置かれたIについて考えます。
@nifty/OCN/Infoseek/Livedoor(Amikai)
この翻訳は約Iつの消されたよい味を思います。
Yahoo!(CROSSLANGUAGE)
この翻訳は、あたりを、私が良い味覚を出したと思います。
フレッシュアイ(The翻訳)
この翻訳はIつの消されたよい味に関して考えます。
Google/WorldLingo
約私がよい好みを消すことをこの翻訳は考える。
そしてトリに「訳してねっと!」
この翻訳はその辺りで私は良い味を消すと考えます。
……こっちでは主語の逆転がない模様。
まぁ英文にはIって入ってるからなぁ。
そして訳文はご覧のとおり揺れに揺れている。
機械翻訳の出力をそのまま機械翻訳にかけるから
ここまで元とかけ離れるという事情はある。
それにしても、流石にまだ無料には負けないで済んでいるようだ。
分かるけど解らない
ソウルの翻訳会社から英文和訳の依頼。
ぱっと見たところ一般文書で難しくはなさそうだった。
あまり複雑な構文は使われていないようだったので、
まず下訳としてエキサイトのテキスト翻訳にかけてみる。
ほぼ期待通り、6割ぐらいは信頼できそうな日本語文字列ができた。
得られた文字列を1ファイルにまとめて保存。
次に、英語原文と上記「訳文」を対訳の形に並べて比較。
両方のファイルをTradosのWinalignに読み込んだ。
日本語の修正や文体の統一(=実質的な和訳作業)に3時間ほど。
結果をTrados翻訳メモリ形式に書き出して一休みした。
あとはこの翻訳メモリで原文を処理するだけだ。
ほぼ自動的にできるはずだった作業が、実は一番の番狂わせだった。
対訳として表示されるはずの日本語が読めない。
最初は西欧言語の、次は韓国語のものらしきフォントで文字化け表示。
……今までの時間は文字化けで台無し?
ところが翻訳メモリそのものを見ると日本語が保持されている。
どうも、翻訳メモリに格納されている日本語のフォントが
初期設定と違っていると文字化けを起こすらしいことが分かってきた。
とはいえ元は単純テキスト、フォントの設定など全くしていない。
原因やら回避策やらは解らないものの、とりあえず対症療法だけすることに。
すなわち、翻訳メモリ上の日本語をいちいちコピーして
訳文ファイルへテキスト貼り付け。
段落の数だけ繰り返す単純作業に2時間余りを浪費。
3時間強でできるはずの仕事に結局6時間弱かかってしまった。
これでは時給換算で割に合わない。
翻訳そのものは難しくなかっただけにより腹が立つ。
……そもそも英文ファイルを韓国語フォントで送ってくるほうが変では、
などと他人のせいにしてみる。
私は何だったのだ
とある海外の翻訳会社からフォローアップなる通知が来た。
訳文の品質保証と銘打って登録翻訳者の整理をするという。
ついては添付のプログラムに参加するように、と読めた(英語)。
確か書き出しには取引を継続したい旨があったのだが……。
そのプログラムとやらの第一段階として、履歴書の登録が案内されていた。
まぁそのぐらいならどこの翻訳会社でも普通にやっているし、
むしろ今まで(既に数件受注)要求がなかったほうが不思議なくらいだ。
ところが、その履歴書を送付する時点で第一次スクリーニング=足切りに遭うことが判明。
履歴書を送付する資格要件として、通訳・翻訳専門の学位があれば実務経験4年以上、
それ以外の学位であれば実務経験7年以上とあるのだ。
自慢ではないが、私はどちらの要件も満たしていない。
プログラム参加資格がそもそもないではないか。
この基準を満たしていない私が過去やった数件って、会社の責任のもとにちゃんと納品されたのか心配。
引き合いどころか報酬の入金に至っても素性を全く確認されなかったのは私の非だろうか。
でも明らかに私は基準外だ。
逆恨みだったり義憤だったりといった感情はない。
ただ、その素晴らしい矛盾がどう解決できるのか疑問だ。
私のような馬の骨への発注自体が件数として無視できるならばよいが、実際のところどうなのかが他人事ながら非常に気になる。
・下請け総数が激減して困らないか?
・過去の馬の骨の始末は誰かやったのか?
そして、私はどうしたらよいのだろう。
ここは真正直に削除を依頼するのが人間として筋か。
事情を説明する気もできる自信もないが。
想定外
前日もらった仕事が2本もあったので、朝からとっとと帰るつもりでいた。
打ち合わせをこなし、調べものも一応おしまい。
さてハードディスクの掃除でもしようかと思った矢先。
「おともだちから電話だよ~ん」
……おともだち?
出てみるとS先生だった。
「先週もらった数表にいくつか変数の追加をしてほしくって……」
そこまではよかった。
変数は問題なく追加できて、結果もちゃんと書き出した。
しかし容量が大きすぎてメールでは送れそうにない。
分割する旨とその方法を伝えようと受話器を取ったのだが。
何回かけても出ない。
待っているうち予定より2時間も遅くなってしまった。
諦めてメールに伝えたかった内容を書き込み、送信ボタンを押す。
が。送信しきれない。
これまた10分たっても画面が変わらない。
重いから遅いのかな、それにしてももうそろそろ……と思っていると、落ちた。
「サーバーが応答しません」
人のせいならともかく、何で機械のせいで残業せないかんのじゃ。
数分後(ちゃんと送信できれば意外と早かった)。
近くの席の人に「私もう帰りますから」と声をかけ、端末の電源を落とす。
やれやれ、と上着を羽織ったが早いか
「おともだちから電話~」
振り出しに戻る。
ご指名
一番つきあいのある翻訳会社から引き合いが入った。
そのメール本文そのものが泣かせる。
”クライアントの方からも好評を頂きました。
「大変分かりやすい訳で、満足しています。」”
そのクライアントから似たような依頼内容が来たため私にやってほしい、とのこと。
何よりうれしい言葉のひとつである。
その返信でもちろん引き受けた訳だが、折角のお言葉には感想として「光栄です」と付けた。
何のひねりもなく光栄という言葉が出せた自分に少し驚く。
いつも尊大と自己否定の狭間でゆらめいている私が、素直に光栄だと思ったというのが実は一番の収穫かもしれない。
こっちもおかわり
午前から打合せが4件あった。
最初の打合せは偉い人だらけの課会。私はもぐりで兼務している。
お昼休みに取引先との進捗確認。
午後すぐから正式な所属先のチーム会。
そのあと上半期の振り返りと下半期の業務内容確認。
最初の打合せにて。
偉い人F「このデータベースの一部集計とかって運用会社の人に頼んでいいの?」
偉い人A「だめですよ、運用しかお願いしてないんだから」
偉い人F「ぢゃ誰に頼むもの?」
偉い?人S「操作権限はうちにあるんですけどね」
偉い人Y「権限って何か資格とか関係してたっけ?」
偉い?人T「いや別にないですよ。でもよくわかんなかったりして」
偉い人F「だったら分かる人に権限あげたら?」
一同「……あ。」
偉い人Y「……(私のほうを見て)やる?」
私「喜んで」
扱えるデータの種類が増えるのは個人的にうれしい。
会社への貢献とかいう殊勝なものではなく、好奇心である。
最後の面談にて。
上司「ごめんね~、業務追加になっちゃったから振り返りだけ今やるわ」
私「今朝のあれですか?」
上司「それも、まぁあるけど。もろもろ他にも要望があって」
上半期の査定提示。
上司「どう?思ったより……」
私「全く期待してませんでしたので」
個人事業との兼ね合いがあり、昇給も賞与も本気で嬉しくなかった。
上司「何でまた」
私「これといって結果を出したりもしてませんし」
上司「ま、そのへんは会社と個人の認識ギャップかね。
そういうわけで仕事はこれからまだ増えるし」
期待していいよ、と言われたが、やっぱり嬉しくない。
足を洗いにくくなるから。
短期的には会社仕事も多いほうがありがたいのだが、一方であまり必要な人材になりたくないという本音もある。
自分の願望同士が矛盾している。
折りたたんで、ありがとう
静岡で大道芸ワールドカップなるものを見ていた。
ワールドカップというだけに、外国人選手?も結構いる。
各人の演技は言葉の壁など無関係に面白かった。
ただ、私の興味を引いたのはその後である。
大道芸には投げ銭がつきものらしい。
各演技の終了時には必ず「投げ銭タイム」があり、
演者が自ら集めたり、ボランティアスタッフが手伝ったりする。
無言でも笑顔で空のトランクを差し出せば結構な額になるのだが、
わざわざ日本語をがんばってくれる縁者が素敵だ。
「明日、帰るのね。軽いの、うれしい」
「お気持ち、何でも、大歓迎。光るのも、たたむのも」
片言なのだがたどたどしいというよりリズムがいい。
とある中国人の演者さんに千円札を畳まないで渡してみた。
「ああ、折りたたんで、ありがとうございます」
振る舞いからするに、彼は畳めとは言っていない。
たたんだもの=たためるもの=紙=紙幣、を指している。
「いっぱい、たたんで、おありがとうございます」発言さえあった。
無論、くしゃくしゃに畳めばいいわけではない。
ないものはもらえない
勤務先で上長印の必要な書類が発生。
私「はんこ下さい!」
上司「ごめ~ん…」
私「?」
定期的に発生する書類だし、却下される要素はない。
……
上司「うちに忘れてきた」
