それは無理

月初の人事異動に伴い、隣の席に移ってきたF様。
恐ろしく顔が広いので名刺がすぐ切れてしまう。
その彼女が、その夥しい取引先に異動のご挨拶。
挨拶状も大変な数なので?事務子会社に送ってもらうほど。
その校正依頼が子会社から送られてきたのだが、何枚か見ているうち彼女がさもおかしげに笑い出した。
F様「……これはないやんなぁ」
私「?その原稿が?」
F様「この住所がな」
指し示す先を見て私も吹き出してしまった。
”米国ミネソタ州”と日本語で縦書き。
あちらのZIPコードもご丁寧に郵便番号然としている。
日本を出ることはできても、米国で迷子になるであろう。

微妙な立場

同僚に言わせると、上司は私に頭が上がらないように見えるらしい。
言われたときは「そんなあほな」としか思わなかったが、
何となく裏が取れてしまった気がしてきている。
飽くまで副業のつもりということもあり、勤務先での職位は契約社員である。
本来なら部長級である上司との間に正社員が入るはずのところらしい。
しかし現実として、そんな存在は見当たらないのである。
去年は一応いたのだが、退職されてしまい空席になったままなのだ。
つまり、私はその人の分のお留守番もしていることになる。
何か外部から問い合わせがあったら取り次げばよいと言えばそれまでだが、
そう簡単につかまる相手ではないので情報の一次処理が必要である。
しかも、今や私でないと回答できない質問も少なくない。
正社員の助手のつもりが身代わりになってしまった、とも言える。
そのへんのところは上司も気にかけてくれているようだ。
振り返り面談で「会社の事情で正社員に登用する訳には行かないが」と言われた。
別にそんな希望はそもそもないので私は気にしていない。
今の気楽さのほうがよほど居心地がいい(と思うことにしている)のだ。
そして「~行かないが」の「が」の続き。
外部要因が色々あって個人目標が未達成なのだが、
「業務の個別性を考慮して、最大限の評価はさせてもらう」とのこと。
…….昇給やら何やら、本当にそんなことは望んでいないのだが。
もらえるものは多いに越したことはない。
ただ、そんなに私の価値があるのかが疑問なだけである。
きれいごとでも何でもなく、かなり疑わしい。
そして、あまり重宝されても後で困る気がしている。
本業にする気がないので。
評価(額)の高さより足の洗いやすさを取りたい、という希望は
会社から見たら受け入れがたいものなのだろうか?

輸出なのか?

この週末の仕事の請求書をくれと担当者から連絡があり悩む。
「インボイス宛先は日本法人にしてね」
契約書の宛先は香港だったのだが…..
香港宛てならば疑問もなくインボイスを作成できる。
東京から香港へ結果ファイルを「輸出」したことにすればいい。
しかし今回、「出荷先」は「東京」。
東京から東京に輸出なんて聞いたこともないが大丈夫だろうか。
担当者に「じゃぱにーずセイキュウショにしましょうか?」と聞くと
「いつものあれで大丈夫です、宛先だけ日本で」との返事。
……そのまま出した。
因みに決済は円建てのチェック。
外国為替なんだろうか(どこから発行されるもんだろうか)気になっている。

そりゃないでしょ

昼前に校正仕事の和文原稿が届いた。
業務依頼書によれば、昨日の17時には来ている筈の原稿。
私の納期は今日21時というので、翻訳の遅れは私が吸収せざるを得ない位置にいた。
昨日ひねもす待っても来なかったので
「(土曜)21時にもらえなかったら規定納期は無理よ」とメールして不貞寝していたら半日経っていた次第。
見ると、翻訳者もお怒りの様子であった。
「今週中ってしか言われてない。土曜17時なんて知らない!」
翻訳会社担当宛てとは言え、私にもそれを回すか。
どっちかと言えば私のほうが被害は大きいんだが。
で、肝心の翻訳会社はその返信を私にも回していたが。
「そういうわけで遅れてま~す。いつできるか教えて?」
なんとまあ暢気な。
不幸中の幸い、翻訳そのものの質が今までになく高かった。
1時間ほど読んで表現だけ直し、その旨を注記して納品。
翻訳はできるのに「仕事」がいまいちできない人なのか、会社に振り回されて私と同じく辟易しているところなのか。

ジューシーなジュース

普通「ジューシーな」というと肉料理だと思うのだが、ついに出会ってしまった、ジューシーなジュース。
私の感想ではない。箱にそう書いてあるのだ。
「ジューシーでまろやかな飲料」
肉も魚も入っていない。主な材料は果汁と練乳。
しかも
「フルーツを選び、れん乳を加えミキサーし、……」
ミックスする、でもなく、ミキサーにかける、でもない。
なんて迂闊な日本語だ。
ところで、冒頭の文を書いていて思ったのだがこの「普通」ってどこから来ているものなんだろうか。
「ジューシーな」なんて学校で習いそうにもない。

天職?!

先週、「R-CAP for Business」なる適性診断をやってみた。
感想としてはまぁお高い心理テストである。
その結果が届いたので早速ざっと見ると、103職種がある中での適合度ランキングがあった。
何と1位は「通訳・翻訳」!
意外にも意外だった。
興味・価値観・志向なるものから判定しているだけで能力や資格は見ていないそうだが、
一応3年ほどやっているので能力は最低限あるはず。
翻訳業が天職だと思い込んでしまおう。
面白かったので会社の人に話したら、「お、いいじゃん、天職じゃん」と素直に喜んでくれた。
いわく、思い込みも前向きなら重要とのこと。
わーい。

コンビニエント?

勤務先から最寄りのコンビニへはエレベーターで行く。
行きは勝手に開く自動ドアだが、帰りには入館証が要る。
この入館証、非接触式だが裏表はあるらしい。
1日1度しか使わないこの札のために財布の特等席を確保するのは厭だ。
さてその店内。
1回分400円を超える入浴剤が出入口すぐの棚に鎮座ましましている。
ゑ?何故オフィス街の只中で入浴剤?
さらにその棚、下の段を見ると金属製の知恵の輪が。
そんなものより銀行ATMが欲しいと思うのは私だけだろうか。

うっかりしすぎ

S先生から電話があった。
彼は私の職場で色々な仕事を請け負っているが本職が大学の先生なので会社にはあまり来ない。
携帯からなので、研究室にはいないようだ。
先生「で、心配なことない?あと大丈夫?」
私「今朝メールした件だけ何とかなれば」
先生「やってみるしかないよね、ある程度サンプル量だけ絞ってみて」
私「じゃ今のままで進めますね」
先生「ところでさ、……あれ?」
私「どうしました?」
先生「僕いつ出社するんだっけ」
私「……木曜、25日ですよ」
先生「あっそうかそうかそうだった、Yさんと打ち合わせて、Sさんとこと……」
用件だけは覚えていたらしい。
大丈夫なのか。

出勤しちゃった

夏休み宣言したはずなのに、出勤してしまった。
というのも、昨日また宿題が出されたからである。
開いて見ると先日の作業がぶり返したような中身。
抽出元が少し違うだけで内容はほぼ同じらしいが、かなり適当に書かれている文字列を「きれいにする」宿題。
延々とやっていると気分は賽の河原。
更に塞ぎこませるのが、帰りにすれ違う人の波。
夏休み前回の観光客達がまぶしい。
そして私の夏休みも終わった。

夏休んでみた

急ぎだったらしい仕事が昨日までに片付き、残りの件も進め方と納期が決まった。
敢えて休日出勤してまでこなす優先度でもないため、今日と明日は休むと宣言。
#そもそも休みのはずだが
いつものスーパーに朝から行ってみた。
出勤しない分の運動不足を少しでも補うため、30分の徒歩である。
お客が少ない。ついでに品数も少ない。店員がのんきだ。
平日ってこうなのか、と思い知らされた。
特に平日が休みだったらしたいことというものもなく、家の近くでランチをなんて野心もない。
帰宅後はやや久々にあちこちの掃除をした。