なんちゃって講義

以前にも書いたが、会社ではシスアドまがいの仕事をしている。
昔ユーザーサポートの仕事をしていたこともあって、パソコンの使い方なら一通り何でもできる。
そこにかつての上司から電話。
隣のシマに着信していたものを取ったのに私宛でびっくり。
元上司「年賀状の印刷ってどうしてたんだったっけ?手打ち?」
私「差込印刷してましたが」
元上司「おぉ、響きがカッコいいな差込印刷って。でどうすんの?」
私「ワードにそういう機能ありますけど」
元上司「アクセス(の住所録)からじゃなくてワード?」
私「そうですね、アクセスからは書き出して使います」
しばし、受話器の向こうでの会話。筒抜け。
元上司「それさぁ、こっちの子に教えてやってくれる?」
私「?」
元上司「学生ちゃん一人そっちに向かわせるから」
私「……いいですよ」
そんなわけで、明日その学生ちゃんが差込印刷を習いに来る。
なんちゃってシスアドがなんちゃって講義。
まぁ内輪が相手だから何とでもなるとは思うが。

逃げられない

昼休みにメールチェックしてみると、見慣れた英語が踊っている。
香港の(だと思っていた)翻訳会社からの依頼メールだ。
何が見慣れているのかというと「rush job」。
ここからは急用しか頼まれたことがない。
1通目「15000語を木曜の9時まで、できる?」
返事「今日は暇ないの。ごめん」
2通目「どれぐらいならできる?半分?ちょっと?」
……ぃゃぃゃちょっと待ってよ。やりたくないんだってば。 
返事「できてもほんのちょっとです。今週は忙しいの!」
3通目「んじゃこれぐらい、いいよね~」
間違ってもやるとは言ってないのに添付ファイル付き。
しかも4ファイルもある……。
返事「これぐらいなら、9時までなら、何とか」
私、弱い。
交渉力まるでなし。
作業が追いつかない場合の保険として(?)ダンナに救援依頼。
夜7時頃、自宅マンションの階段にて携帯電話に着信。
一番のお得意様からだった。
担当者「今週のスケジュールはどうなんでしょう」
私「えぇと、今日と明日はふさがってるんですが……」
担当者「そうですね。ではメールしておきますので」
私「え、えぇ?」
担当者「確認ください。メールでお返事」
#担当者は本当にそう言っていた(日本人ではないので)。
自宅に到着。早退していたダンナに夕食を作る。
私「で、頼まれちゃったのね。中国語のほうも」
ダンナ「んじゃ英語のほうは僕がやりますか」
私「病人に悪いんだけど、お願いするわ」
中国語案件の原稿を見ると、内容が面白そうだった。
納期が短いのは1枚だけで、あとは今週中ならいいとのこと。
いいのか、こんなんで。
中国語案件については間違いなく真面目にやるけど。
英語案件は……私も一応やるが、間に合うかは自信がない。
最悪の場合ダンナにやってもらったものをそのまま提出することに。
ダンナ「断るの下手すぎ。まぁ面白いからいいんだけど」
……ぐっさり。だから私は英語は苦手なんだってば(落胆)。

声優とカイロプラクターと兼業翻訳者

朝から携帯にメール着信。
同郷のカイロをやっている旧友からだった。
「いつ暇?土日は無理」
流石はサービス業。
共通の友人に声優がいるのだが、彼女(?)の都合は火曜と木曜を外したいとのこと。
収録でもするのだろうか。
会社員まがいの勤務をしている私にとっては何曜日もへったくりもないのだが、
打ち合わせが定期的に入る曜日を外すと月曜か。
それにしてもなんかすごい組み合わせだ。
芸能人とサービス業とフリーターなのか何なのか。
三者とも大学までは普通にストレートだったのに今や皆がどうも普通でない。
尤もこのご時世、何が普通かなんて定義しがたいものではあるが。

担当者に救われる

昼下がり、携帯電話が鳴った。
「先ほどメールしましたが、確認していただけましたか?」
慌ててメールチェックし直したが、何も新着のものがない。
「ま、まだ…..みたいです」
「でしたら、もう一度お送りしますね」
今度は予備アドレスにも送ってくれたらしく、出先用のウェブメーラーで内容が確認できた。
大陸もの中国語の和訳依頼である。
PDFで話の概要は解るのだが、ところどころ読めない。
だめで元々、と思い「読みづらいです」と返信したところ、なんと相手(翻訳会社の担当者)がテキストで書いてくれるという。
これは大助かりだ。
多少きれいな画像を再送してもらえたら御の字だっただけに、文字にまでしてくれるとは望外の喜び。事務作業がなくなるのだ。
そのテキストが届いて、これまた心遣いにびっくり。
古語や成語にコメントをつけてくれていた。
いずれも調べれば判る程度のものではあったのだが、気を利かせてここまでしていてくれるとは。
ただでさえ下請けなのに、頭が上がりそうにない。

同じ「部署」?

同じ列の人あてに某運輸会社から呼び出し。
換わりに受け取ろうと廊下に出ると、何だかあやしい。
弁当箱大のその荷物、同一と思われる品が大量にある。
私「(宛名人)の荷物を取りに来ましたが」
業者「これなんですが、同じ事業部ですのでみんな」
ちょっと待て。事業部、って何人いると思っているのだ。
概算900人。上の階にいるのを足すと4桁いるのに。
しかもその業者、一見さんではなく普段よく見る顔だ。
ざっと100個もある荷物を私が代わりに受け取る所以はない。
やや憤慨して1個だけ受け取り、席に戻る。
私「いくらなんでもフロア全部ってなしですよねぇ」
向かいの人「タダでは配りたくない規模ですよね」
私「3000円ぐらいもらったら配りますかね」
向かいの人「それでも安いでしょ」

本当に来た

先日「ちゃんと取っておくから」と言われた香港からの仕事。
本当に発注されてしまった。
訳文の校正だから楽だろうと思っていたのが甘かった。
長い。50頁ほどのファイルが2つある。
ややこしい。ドル建てファンドの目論見書とその資料だ。
Tradosがフル稼働。
原文と訳文をつき合わせて、用語らしきものを抽出して、やはり見慣れた処理画面に戻すために原文を「翻訳」ごっこ。
ものがWordファイルで本当によかった。
紙だったりPDFだったりしたら2日弱の作業時間では無理だったと思う。
この会社には以前JPEGで紙スキャン原稿を送りつけられたことがあったので
後で思えば今回は幸運だったのだろう、と納品を終えため息。

哀しきすれ違い

今日は会社仕事でちょこっと出張。
隣県まで打ち合わせに出かける用事があった。
出掛けに自席でメールチェックしてみると、香港の会社から英文和訳「急ぎ」の打診。
文面からは対象物も納期も不明なので、とりあえず「検討するから教えて」の一言だけ返信。
心残りのあまり携帯からも十分おきぐらいに確認したが、なかなか翻訳会社からの返事が来ない。
妙にそわそわしつつ、長距離電車に乗る。
揺られること小一時間。
降りる寸前になって再び携帯から覗くと、添付ファイル付きの返信が入っていた。
納期は今日の深夜?
ただでさえ帰りが遅くなるのに受けられるだろうか。
ファイルを見なければ作業量が見積もれない。
幸い打ち合わせの時間までに余裕があったので、下車するなり駅前のマンガ喫茶に駆け込んだ。
「当店は会員制となっており、ご登録が」
背に腹は変えられないのでとっとと登録を済ませる。
いざ!と息も切れ切れにパソコンの画面を覗くと。
どうにか4時間あればできるかも、という微妙な量だった。
「深夜ってことは日本時間23時まで大丈夫?」とメールし15分料金と入会費の210円を支払って店を出る。
打ち合わせを終えて再びメールを確認すると
「返事ないから他の人にしちゃったよん」
……あれ?入れ違ってしまったらしい。
マンガ喫茶で確認したときはそんなメールなかったのに。
よりによって出張のタイミングで急用なんかよこすから。
と脱力のあまりため息が出た。
この悲哀も兼業ならではと言えないでもないが。
香港の担当者、まめなのか人情家なのか、「別件で校正の仕事ちゃんと取っておくから」とのこと。
英語圏の人でも気休めなんて言うんだろうか。

喜んでいいのか?

同じ職場から調査(コンサル?)業で独立したS社長。
独立開業のため退職した割にはまめに顔を見せている。
S社長「社員だった時より働いてるよ」
私「仕事しょいすぎなんじゃないですか?それとも外からしょわされすぎ?」
S社長「両方あるよね、自分のできる範囲が見えてなくて」
私「それじゃパートナーさんとの分担が肝ですかね」
S社長「人を育てるのって、難しいんだよね」
そこに元上司(別部署に異動した人)が通りかかった。
元上司「おやSさんじゃないっすか」
S社長「あ、どうも」
元上司「どうです、新しい会社のほうは」
S社長「忙しいっすよ」
……かくかくしかじか(上と似たような話)。
元上司「……即戦力、って、そう簡単にはねぇ。
    (私のほうを見て)お前はここにおっとけ。誘われてもついてくなよ」
えぇと、光栄ですが私めそっちの能力はあまりないかと。

がんばらされる?

勤務先ではシスアドのような仕事をしている。
管理対象の自前システムは数年かけて作られたもので、毎月のパラメータ更新などは特定のSEにしかできない。
仕様が難しいというより、仕様書がないのだ。
これでは担当者が交代できないではないか、ということで開発者と私が仕様書と運用手順をまとめることになった。
上司「で、いつまでに誰が何をやるか整理しないと」
開発者「しておかないとおちおち死ねません」
……この人が言うと死が洒落にならないので怖い。引きつる二人。
上司「……で、(開発者)日程とか大丈夫なの?」
開発者「ええ、がんばりますから」(笑顔で)「yomeさんが」
私か。……やっぱり私か。

8時までに

午後4時ごろ、翻訳依頼のメールが来ていた。
いつもなら30分おきにはメールチェックしているが今日は珍しく会社仕事で忙しかったので確認は5時半に。
文面には「8時までに返答を」とあった。
気を使ってもらっているようで申し訳ない。
そそくさと受諾の返事を出す。
内容が送付状のようなもので、量も2枚。
最初からWordファイルだったので事務作業もいらない。
帰宅してすぐ、ちょこっと覗いたつもりが気づいたら終わっていたというあっけなさだった。
納品して顔を上げると、7時50分。
……。