読めないものは読めない

大型案件の処理中。


その1.
やや久しぶりになる会社から割り込みで引き合いをもらった。
大した分量でもないので受けてもいいかと思い、原稿を開いてみると。
文字が読めない。
原稿用紙らしきものに手書きで綴られた手紙らしきものなのだが、半分以上が読めない。
流石に読めない文は訳しようがないので、申し訳なく思いつつも断りのメールを出した。
担当者も「確かに読みづらいですよね」と落胆なのか同情なのか。


その2.
大型案件そのものにも読めない箇所がちらほら発生。
文字が少なすぎて読めない。
中国語(や英語など)と日本語は文法が違いすぎるので、
述語だけ出されても日本語訳がつけられない。
まして、助動詞だけ出されても。
仕方がないので適当にとりまとめ、担当者に投げ返す。
こちらは客先まで照会が行く模様。
#そうしないとどうしようもない

たらいが回る日々

たらい回しにされる、という表現がある。
お役所やら病院やらで私も味わったことのある、「次は(それは)○○へ行ってね」のことだが。
今般、言わばたらいが勝手に回っている。
シンガポールから着電→同国からメール(→返信)→上海から着電(→封書で返信)
→上海からメール(→返信)→香港からメール(ここでやっと仕事の依頼)
→ネット上で納品→シンガポールへ請求(担当者は香港の人)
ちなみにメールは全て英語、電話は「Chinese, please」で中国語。
振り回されている感はあるが、たらい回しにされているという感覚ではない。
よく分からないがかなり国際的な企業に首を突っ込んでしまったようだ。

喋れない

やや久々に国際電話を受けた。
早口の英語であれやこれや言われて唖然としていたら
中国語にするか、と聞かれたのだけ聞き取れて中国語にしてもらった。
が、やはり早口であれやこれや言われて唖然。
相手の言っていることは分かるのだがとっさに返事が出せない。
対面ならば平気であろう内容の会話が、何故か電話だとどもったようになってしまう。
相手がどこの会社であるかも釈然としないまま。#社名しか分からない
とりあえず用件をメールしてほしいと頼んだら、アドレスを確認して電話は切ってくれた。
いざ用件の書かれたメールを読む。英語だが内容は難なく理解できた。
取引先登録をしてくれというのでその会社のページを開き、手続きをする。
やれやれ、とメールチェックするとまた用件が増えていた。
中文和訳の翻訳実績をくれとな。
間もなく再び電話が鳴った。実績一覧は日本語でいいかと尋ねて却下される。
仕方ないので時間をくれと言ったら「何時まで?」
何の気なしに14時と答えて了承を得たが、どこ時間の14時なのか確認していなかった……
改めて先刻のメールを見ると差出人はシンガポールの人らしいので、早くて日本の14時でいい。
昼過ぎにどうにか少しだけまとまったので送付。
何とも、それにしても私は電話が苦手だ。
日本語ですら電話だとまともに話せない気がする。

珍しい仕事

中国語訳のクロスチェック(文意等の確認)と和文英訳を受注した。
私は中国語と英語の翻訳を生業としているものの、
フリーランスの業務実績としては和訳専門だったので
いずれもかなり珍しい機会だったと言える。
校正を依頼されて他人の訳文を読む機会はしばしばあったが、ほとんどが和訳。
中国語訳の校正も経験がないではないのだが、だいぶ昔のことなので新鮮だった。
何しろ流石ネイティブだと感心させられる表現が多い。
この日本語を訳せと言われても私には書けそうにない中国語ばかりだった。
が、それでも数箇所は解釈の間違いがあったりして修正の仕事は成立している。
主語も述語もない日本語の自由さに困ったのか、訳文にだけ出てくる主語が間違っていたり。
固有名詞が一般名詞として処理されていたり。
和文英訳はフリーランスとして初めてだったので(以前は断ったり知人を紹介したりしていた)、
改めて日本語の自由さに困った。
機械翻訳するにも一筋縄ではいかない。
解釈しやすい日本語に直して英訳させても、そのまま使えそうな表現は出てこなかった。
あわよくば流用、と思っていたが、イメージ程度の参考にしかならず結構な手間。
時給換算千円は高いか安いか。

迷惑なメール

午前3時前に携帯メールの着信で飛び起きた。
見ると某米国系翻訳会社の引き合いだったのだが、とても引き受ける気にはなれなかった。
安眠妨害で不機嫌になったこともさることながら、リスクが高いのである。
・一斉送信。特に私宛という訳ではない。最近この手の引き合いは流すことにしている。
 この会社の場合報酬は交渉しないようだが、合い見積りを取っているようなものだ。
・自称至急案件。ただし(しかも)「not yet confirmed」つまり発注は未確定。
 後ろがばっさり切られているのにいつ着手できるか分からない。
報酬は安くはなかったが、上記のリスクを背負ってまで引き受けたいほどでもない。
こちとら更に為替リスクもあるのだ。
そしてこの送信元に叩き起こされたのは初めてではない。
着信音(振動)だけでも止めねばと思って携帯をいじったが設定はできない模様。
やむなく迷惑メールフィルタをかけることにした。
いわゆる「迷惑メール」ではないのだが、実際に迷惑なのだから仕方がない。

以上、時差不幸自慢。

もっと厨みたいに変換してくれ

#「厨」とは2ch用語で、中学生やマニアを指す侮蔑語(ここでは侮蔑の意味はない)。
普段お堅い工業規格ばかり訳している私が、オンラインゲームの翻訳を受注した。
頭があったら撫でてやりたいぐらい賢い日本語変換ATOKは普段の癖を学習しているため、
どうも変換結果が堅くて修正に手を焼く。
「拳闘士」が「検討し」……一般には誤変換でないだけに大変だ。
だというのに「もえくるう」を変換したら何故か一発で「萌え狂う」だった。
……そんな変換したことないのに。どこで何を学習しているのだ。
ATOKに頭があったらすりつぶしてやりたい。

不思議な課金単位

Proz経由でドイツの会社から登録のお誘いがあった。
登録事項には連絡先情報のほか、言語別の専門分野と最低料金の単価がある。
この単価の数え方が「1行=原文55文字あたり(料金)」だそうなのだが、
中国語はともかく英語の文字あたり料金なんぞ考えたこともなかった。
1ページあたり、1語あたりのいずれかしか聞かれたことがない。
とりあえず自分のCV(英文職務経歴書)が何語で何文字なのか数えてみる。
単純平均6.8文字/語だった。
1語単価に55をかけて7で割って……だいぶ小さい数字だが大丈夫だろうか。
中国語の2割もないが……これで「英語は例外で1語単位」とか言われた日にゃorz

ありえないのはどっちだ

国内分の案件を納品して一息ついていると、英語で引き合いメールが入った。
内容はPowerPointの中文和訳で、見積を聞かれている。
送信元アドレスがMSNだったり社名とおぼしき文字列で検索しても何も出なかったりと、
翻訳会社の素性がだいぶ怪しい。
原稿がWordファイルでなかったため文字数がすぐには分からず、
TRADOSの解析機能で数えてみると5000字弱あった。
海外の業者を相手に下手に出ても何もいいことはないので、とりあえず250ドルと見積もってみた。
と、「何でそうなんの~!1文字3セントだったら80ドルでしょ!!」
……その漲る自信は何だ。どうして前提が3セントなのだ。
ぃゃそれより文字数が3000弱だと分かっているなら先に提示してくれれば間違いもしなかったのだが。
#どうも途中に英語ページが挟まっていたせいで文字数が跳ね上がっていたらしい
やむなく「TRADOSいわく5000字弱だったからそう見積もったまで。
文字数がおっしゃるとおりだとしても普通6セントもらってるから最低130ドルは欲しいのよ」と返すと
「3セントしかありえないし……まぁ別件で何かあれば」
……ないと思う。ありえないんでしょ。

円高なのに

以前から気になっていたSDL Trados認定なるものを受けてみることにした。
字面どおり?Tradosが使えるよん、というSDL社(販売元)のお墨付きをもらう試験。
何ら公的でない資格ではあるが、受験料に教材費も含むというので専ら教材が目当て。
と言うのも、Tradosはやたらマニアックで複雑なソフトのくせに日本語の独習本が1冊しかないのだ。
しかもその本は某社の中の人に貸して数年……
その受験料とやらが何だか損した気分なのだが、定価のせいと言い切ってよいものか否か。
199米ドル/ユーロと表示されていたのに、いざ申し込んだら2万円だった。
今朝の為替相場では1ドル90.34-90.39円、1ユーロ117.68-117.73円なのに。
手数料を考慮すると1000円とはいかないが、500円ぐらい損した気分。
円決済にする分のリスクを見込んで日本(人)向けを2万円に設定しているのだろうか?
昨今の円高を少しでも利用してやろうと思った私が浅はかだっただけなのか……
……外貨収入はしっかり目減りしているorz

カジュアルな中国語

先週、片言の日本語で電話をもらった。
本人ですかというのではいと答えた途端、相当な早口の中国語に変更。
国際電話のせいなのか、私の電話の子機が悪いのか、実に聞き取りにくかったので
聞き取れないからメールにして、とだけほぼ一方的に伝えて切ってしまった。
十数分後、電話の主からと思われるメールを受信。全文が中国語。
最初こそ「お忙しいところ失礼いたします」から入るご丁寧な文面だったのだが、
よく見ると最後の方に「返信お待ちしてま~す」……「~」が入っている。
とりあえず受諾の旨を返信すると原稿が送られてきた。
宛名が姓でなく名になっている。英語圏ぢゃあるまいし「ハ~イ」はどうなんだ担当者。
二日あまりを費やして納品したところ、受領連絡には冒頭に絵文字が。
……今まで見たことがない。若い人は国を問わずこうなのか?
不快とまでは思わないが、何とも拍子抜けした。