実力の証明

日外アソシエーツのメールマガジンを読んでいたら、「トライアルを課されると怒る翻訳者が多い」とあった。
経験者に対してテストとは失礼な、と怒るそうなのだが、私にはぴんと来ない。
つきあいのある(しかも心証が良くない)会社から「このぐらいタダでやってよ」と言われて怒るなら分かる。
でも、仕事をしたことがない相手からの試訳依頼だったら喜んで引き受けるのが普通ではないか?


自分はこれだけの仕事ができる、という証明をするのに最も手近な手段だと思うのだが。
訳文のサンプルを送るという方法もあるが、版権や機密保持に問題のない原文を探すのに一苦労する。
いっそ相手が指定する文を訳して送るだけでいいなら、本番の仕事なみかそれ以下の手間で済む。


メールマガジンにもあったが、何年か経験があるというだけで実力を証明するのはやや無理がある。
まして、経験年数など詐称可能なただの数字だ。
自分が詐称する・しているつもりはないが、見知らぬ誰かが詐称していないとは限らない。
そういう目で採用・依頼担当者がこちらを見ている可能性も否定できない。


そんな無用な心配をするぐらいなら、四の五の言わずあっさりやってのけたほうがお得だと思う。
ことに私は仕事の速さが取り柄なので、出題されたらすぐに回答する主義だ。
相手が納品の早さまで見ているかは分からないし、早い=雑、と捉えられてしまうかもしれない。
でもその時はその時。縁があるかないか、相性の問題だと流すことにしている。
翻訳者のつくりかたにも書いたが、結局のところ相手が気に入れば合格、というだけのことなので。

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