もう先週のことになるが、帰省していた。
毎年恒例の、年賀状作成である。
かつては両親も師走に入ってから年賀状を作っていたのだが、近年はこちらの都合でこの時期に。
郷里がさほど寒いはずはないのだが、冷え込みかたが関西とは違うのだ。
しかも、たいてい12月にはあれやこれやと私も多忙になる。
それなら時間が取れる今のうちに、ということで、仕事を調整して帰ったはずだったが。
初日の夕方に副業の打診。業務量だけ聞いても無茶な負荷ではなかった。
実際の難易度は手を付けてみないと分からないこともあり、請け負う旨を返信。
元データは「今晩中に送ります」とのことだったので、まあ次の朝まで何もあるまいと思っていた。
が、夕食後すぐぐらいにデータが届いていてびっくり。
つい、手を付けてしまう。
つい、そのファイルを片付けてしまう。
つい、その続きを…。
つい、両親との団欒を蔑ろにしてしまった。
ダンナは仕事を持ちこまないと割り切って同行していたせいか、夕食後もリビングにいた。
身代わりに置いているようで申し訳ない気もしながら、リビングに出て行く気がしない。
そもそも昔から自分の部屋を与えられていたし、部屋を出る習慣もなかったのだ。
テレビが大の苦手なので常にテレビのついているリビングにはあまり顔を出したくない。
とは言え用があったり声を掛けられたりすれば行くのだから問題はないだろう、と自分では思っていた。
両親だって娘の無愛想な性格ぐらい把握しているはずだ。
と思っているうち3ファイルを納品、だいぶ遅い時間になってしまった。
翌日は午前中に紅葉狩り、夕食には郊外の寿司屋へ連れて行ってもらった。
声がかかれば顔を出すのだ。
しかしやはり、前日同様の「つい」を繰り返し父との会話はなし。
元からそんなにしてないんだってば。
勿論、肝心の年賀状は表書きも含めて印刷を完了している。
初日の午後に素材集を選ぶところから付き合って本文のレイアウトと印刷。
翌日の午後に住所録の整理と表書きの差し込み印刷。
途中でインクが切れたので替えを買うのも付き合った。
私としてはこれで十分だろうと思ってしまっているのだが、ダンナから見るといただけないらしい。
そう言われても、今更いい娘になんてなりたくもないんだよ。