出立

関西在住の最終日。
諸事情あって家人より先に移動するので明日にはもういない。
剥がせるだけの絨毯を剥がし、調理道具をしまい込んだ。


引っ越し業者がばたばた出入りする環境では不憫なので、こまを実家へ。
受け入れてくれるだけで頭が上がらないのに、義母は道中のおやつまで用意してくれていた。
搬出の実作業には手を借りるまでもない由を報告し、しばらく雑談。
ごみ回収日の都合が合わない細々したものを引き受けてもらうことにした。
とは言え大規模マンション、直接どうこうしてもらうという話ではない。
所謂スープの冷めない距離というほど近所ではないが、実に色々と助かった。
新居では改めて親離れを意識せねばと思うと苦笑が漏れる。


この3年半、近くで色々な施設ができてはなくなっていった。
街の影響で変わったところもあるが、暮らし方の変化には内的な理由もある。
その求めるものが転居先にあるというわけではない。
仮にこの土地で暮らし続けていても、同じようにいつかは探していただろう。
転居は少し早く意識して踏み出すきっかけに過ぎない。
いつか帰ってくるかは分からないが、旅のようなものだと思っている。
今度は何に、誰に、どう出会うだろうか。
由来の分からない期待感もあり、今夜は眠れそうにない。

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