鏡の中の…

2時間もまじまじと鏡を覗き込んだのは生まれて初めてではないかと思う。
非常に遅ればせながら化粧なるものを習ってきたのだ。
普通この年齢の女性であれば一通りご存じだろうと思うと恥ずかしいが致し方ない。
始めなければ始まらないので、まずは最初の一歩。


顔全体の印象を決めるパーツとのことで、講座はアイメイクの知識と実習だった。
使うべき色も分からないので、図々しくも先生に選んでもらってアイシャドウから。
生まれてこの方ずっと一重瞼だと思っていたのだが、よくよく見ると奥二重だった。
顔料を乗せるには一重よりよほどたちが悪い。
基本知識は二重の線を前提に説明が進んでいくのだが、話が自分に降りてこないのだ。
いざ実践となっても、まず筆をどこに下ろしたものだかが分からない。
見当をつけてここですかと訊いてみると全くの不正解だった。
「奥二重の人も多いんですよ」と言われても、会場にいるのは全員ぱっちり二重。
まじめに言われたとおりやっているつもりだが、人様と同じ仕上がりにはならない。
変装講座ではないのだから、全く同じ顔になる必要もその理由もないのだが。
最後に一人一人が他の受講生と仕上がりを見せ合う段になって、やたら褒められた。
自分では描きすぎな気はするのだが、元々の顔立ちが薄いからこれでいいのだろうか。
化粧の済んだ顔は客観視できるものだと何かの本で読んだが、自分は例外のようだ。
まあ初日ということで大目に見て、今後ちょっとずつでも精進するほかあるまい。

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