はかられた

先月の化粧講座に引き続き、今度はボディコンサルティングなるものを受けてみた。
下着のプロが全身を採寸して評価と調整を行うという目新しいサービスである。
全身の寸法をプロが測るということ自体に興味を持った。
何か素人とは違うのか、そこからどう商売が展開するのか。


実寸の数値は衝撃的だったので割愛する。
なるほどと思ったのは、体型を左右するのは比例であり寸法の絶対値ではないこと。
ありていに言えば、太い人にも太いなりのメリハリというものがある。
また実例で納得したのは、周径を測る位置の高さにも個人差があること。
一般に測定されている位置と把握しておくべき数字の位置は違うらしい。
その差が個人差であり、補正できる範囲を規定するのだそうだ。

ヒップの(周径測定)位置は身長の1/2の高さ
バストトップの位置は肩口と肘の中間の高さ
アンダーバストはバストを両手で持ち上げた状態で測定

このお約束から言えば人並みのヒップ位置なのだが、もっと上にあるべきだという。
理由は腰骨の高さだった。
腰骨が高い分だけメリハリの重心も高いはずなのだそうだ。
骨格による規定枠の一例として、腰骨の位置が高いと

長所:脚が長くすらっとして見えやすい
短所:腰がくびれない

ということになるそうで、短所は肋骨と腰骨が近いことによる。
「こういう日本語って変ですけど、お尻が短いんですよ」
ウエスト(の水平位置)からヒップ(の水平位置)までが近いということらしい。
こうした縦方向のバランスもあるので、個々人が目指せる理想は異なるとのこと。
ボディコンサルタントが調整してくれるのは下着ではなく体型のほうだった。
脂肪組織をつまみ上げて粘土細工のように動かせるのである。
ただし、脂肪組織そのものの増減はできないそうだ。
「胸にあるべき脂肪が背中についていれば胸に戻せますが、ないものは無理です」
あるべきものか否かを判別するのは脂肪の「流れ」によるという。
その「流れ」とやらは思想や信条ではなさそうだが、語れる理論はないらしい。
そもそもこの調整技術は独学なのだそうだ。
下着の販売をしていて個々の客に合うものを探す過程で見いだしたという。
先月の講師と言い、この人と言い、そのセンスと勇気に感服する。
元々していた仕事の中から自分にできることを見出し、自らの商売にしているのだ。
どれほどの稼ぎになるかは知らないが、その道の第一人者と言っていい。
美容の道を目指すという意味ではないものの、かくありなんと思った。

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