WindowsXPとOffice2003がサポート終了という話を家人としていたときのこと。
「この先そもそもWindowsなんて要るのかな」の一言にぞっとした。
「現にウェブ開発そのものはMacで間に合ってるし」
曰く、「何も考えずにWindowsを買っていれば安心な時代」は終わっているのではと。
タブレット端末の類で「普通の会社員の仕事」が済めば需要が落ちるだろうという。
あいにく「会社」の「現場」にいないので肯定も否定もできないが、考えてみる。
大量の書類も閲覧だけならスマートフォンでも可能だ。
営業用の客先に提示する資料はタブレット端末で持ち歩くほうがむしろ好都合だろう。
一部修正ぐらいは出先でもできそうではある。
いっぽう、原本の作成がそういった「パソコンではないもの」で不自由ないだろうか?
動画や音声の盛り込みはむしろ直観的で簡単にいくかもしれない。
では費用(投資)対効果を示す数表は?
入力ならできる。編集も簡単だろう。根拠となるデータからそこまでの計算は?
端末に演算能力がないという意味ではない。
例えば「Excelでちゃちゃっとやった」結果を盛り込んで「便利」にやってきたはず。
場合によっては夥しい数字を縦横に組み替えて。
とは言え必ずしも「Windows」の「パソコン」が要るとは限らないのか。
固定台やキーボードなどをつなげれば済む問題かもしれない。
個人で商売をするなら、そこで完結しうるか。
それでも残ると思われるのは経理関係。
大量の長文が発生する法務関係。専門的な演算や図面を要する開発関係。
物流など紙での証憑を必要とする業務にも残るだろう。
「電子化されていないデータを吸い上げて加工する」作業には要りそうな気がする。
また、組織が大きくなればなるほど、営業と営業事務などの分業が進む。
営業事務担当が作り込んだ資料を営業担当がそのまま持ち出す職場もある。
となると「利用の現場」と「作成の現場」が共通の装置で動かない想定もできる。
作る側では旧来どおり、使う側で新しい装置を使うなど。
少なくとも大企業では、その流れになっていくのではなかろうか。
事務屋ばかりをやってきたのでそう考えてしまうだけかもしれない。
あるいは事務屋そのものが不要になるか、数字を営業に使わなくなるかも分からない。
ただ、流石に向こう10年や20年でとは思えないのだが暢気だろうか。
ごく個人的な立場に戻ってみると、客先のほとんどは社内の事務屋と思われる。
直接的にはサービス購買の外注管理。
間接的には先述各部門を含む「管理部門」や「スタッフ部門」。
そういった機能が不要になれば、依頼元がいなくなる可能性もあるだろうか。
反面、間接業務そのものを、より広い範囲で外注化する展開もありうる。
それを踏まえて、「Windows」の「パソコン」が要るかと言えば、要る。
使うソフトも求められる納品物に応じて変えていく商売。
いつどこを更新するかはより悩ましくなっていくかもしれない。