2年ぶりの南信。
馬鈴薯と椎茸の植え付け、畑の線引きを体験してきた。
一定規模の畑でないと線引き作業は発生しそうにない。
用途は真っすぐ畝を立てるための基準線。
一直線に足跡をつける作業は3工程から成る。
・一定間隔で始点と終点に萱で目印を立てていく。
・約50mの紐を2人で持ち、目印に合わせてぴんと張る。
・終点側で押さえている紐を始点側からなぞるように踏んでいく。
言うは易い。
・畑は「概ね」長方形なだけで11:10ぐらいの歪みがある。
・足元はふかふかに耕されており、立つとすぐ踝あたりまで沈む。
・直線を引くのが目的のため足跡が左右に広がってはならない。
つまり、信じられるものが紐しかない状態で数十mを歩く。
加えて鍛練とはほど遠い日常生活。
どの瞬間どう使うのか自分で分からないような筋が張る。
後腿の中央付近が妙に疲れた。
馬鈴薯は種芋を規定の大きさに切り、断面に灰を塗るところから。
畝ならぬ溝が準備された畑に芋を置き、施肥して土をかける手順で植えていった。
30cm間隔で植えるとのことで、1人が爪先の少し前に芋を置いて進む。
その後をついて、芋と芋の中間に1人が堆肥、もう1人が化成肥料を撒いていった。
終端まで行ったら土を被せ、種芋がなくなるまで繰り返し。
椎茸の植え付けは干してあったブナの木を切り揃えるところから。
男性陣がチェーンソーで90cm程度に切り、ドリルで穿孔。
きのこ栽培専用のドリルビットで均等な孔が開く。
その孔に種菌のついた「種駒」を打ち込む作業のみ担当した。
当て板の上から平らに力をかけハンマーで叩く。
ちょうどの直径と深さの孔ができてから渡されるので簡単だった。
その後、母屋の裏に運び込んで全体に水を掛け、むしろで包んで一段落。
どの作業もご主人がマニュアルを用意してくださったので分かりやすかった。
しかし頭で分かることと実際に体験することの溝も痛感。
他人のしている仕事は簡単に見え、故に完璧を求めてしまうものなのだと反省した。
実際の農事は当然そういう手順の整理も自分で考えることになる。
加え、天候や近所づきあいで予定変更を余儀なくされることも多いようだ。
晴耕雨読にはたびたび憧れるが、これまた実現は夢のまた夢か。