特殊な空間とりみカフェ

とりみ(鳥見)カフェ ぽこの森」に一人で行ってきた。
ガラス越しに鳥を眺めながら、紅茶や軽食を楽しむカフェという定義である。
実際どうなっているのかというと、お店のいわゆる個室席部分がそのまま庭籠になっている。
庭籠部分は襖で裏方とつながっており、「鳥社員」は交代制だそうだ。
今日はサザナミインコとオカメインコが出るのでコザクラインコは出ないとのこと。
コザクラは攻撃性が強いからですか、と聞くと、案の定そのとおりだった。
自分でも飼っている手前、ひいきはコザクラなのだが、
身近に見る機会のないサザナミインコが前面に出てきているのでよしとする。
もう彼だけでいいです、と言いたくなる面白さ。
他の小型インコとは似ても似つかぬ、のっそりと、ゆっくりとした動作。
店員さんいわく、サザナミの中でも青い方がのんびりやなのだとか。
開店の少し前に着いていた私は、他のお客が来るまで店員さんと話をしていた。
流石に3年もやっているだけあってか詳しいのなんの。
それでも男性の方は調理担当で、女性スタッフの詳しさには敵わないのだとか。


しばらくして男女2人組が2組やってきた。
どうも両組とも女性が鳥好きで、男性は女性に引っ張られてついてきた模様。
庭籠に張り付くようにして眺めながら「かわい~」を連発する女性と、席を動かない男性。
「鳥を愛でる連れを愛でる」趣だった。
こんな構図の人間模様が見られるのは珍しい。
花鳥園だと実際に鳥とふれあえるので、たいていの人は「外野」にならない。
とりみカフェはガラスを隔てて眺める施設なので、人間の温度差がよりきわだつのだろう。
ふと、ダンナもこんな目で普段の私を見ているのではないかと思い当たった。
申し訳ないような、後ろめたいような。


料理類が出てくるのは決して早くないが、主役は「鳥社員」なので誰も気にしていない風情。
食事中なのに「○○ちゃんが○○してる!」と席を立ってしまう人すらいた。
同調する女性、保護者のような苦笑を浮かべて見守る男性。
そして女性同士(知り合いではなさそう)が鳥の話題で盛り上がる不思議な展開。
まったりとしていうるうち、気がつけば一時間が過ぎていた。
混んできたら出ようかと思っていたところ、折良く?男女2人組が来店。
諦めて引き返しそうにしていたので、「のきましょか?」と申し出て席を立った。
喫茶店で席を譲ったのは初めてだ。

“特殊な空間とりみカフェ” への1件の返信

  1. おぉ、話には聴いていましたが、こういうところだったんですねー
    中、大型がいないのがちと残念。
    まぁ静かな喫茶店でコニュアやタイハクとかがギャーギャー言ってたら、大変ですが^^;

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