師匠のために現像屋を探す。凄い光景を目にする。

彼女の「写るんです」が最後まで巻き取られたというので、午後の暇つぶしがてら
近所で現像屋を探すことになった。うろ覚えでは、確か本学構内にあったのだが。
初めはフィルムが売っているということで正門わきのスーパーを覗いたが、はずれ。
雑貨屋を彷彿とさせる購買の小さな店あたりにはフィルムさえ見当たらない。
でも富士フィルムの看板そのものを構内で見掛けた記憶だけは間違いないので、
何件か売店の集まっている食堂わきに首を突っ込んでみた。二人でも勇気が要った。
奥から二間目に、確かに富士の看板がある。しかも焼き増しまで扱っているらしい。
店名を確認したら「復旦大学照片復印字中心」とある。これが「中心」かぁぁ?
ともあれ現像を頼んで「写るんです」を差し出すと…..おばはん、おもむろに破壊。
べりべりと音を立てて外装紙を破り、中のフィルムをいじり出した。
当然ながら、二人とも呆然とする。いつかは壊す物とは知っていても、まさか目の前で!
客の心配をよそに、おばはんは傍らのガキと記念撮影ごっこなんぞに昂じている。
をいをいと思いつつ師匠が「あの…..」と声をかけると、何故か封筒を差し出された。
「名前!」と言ったきり、おばはんは一顧だにせずまた遊び出した。
念のため寮の部屋番号を名前の上に書き添え、半ば恐る恐る差し出す師匠。
明日できるとの返事だったが、そもそも中身は無事なのか??

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