ある程度以上の案件を仕上げた時には、密やかに「打ち上げ」を挙行することにしている。
とは言え一人仕事の打ち上げなので、たいていはダンナと近所でパフェを食べて終わりなのだが。
今回は人生初(!)お友達と半日も遊んできた。
先日から何の気なしに「今度カラオケご一緒しませう」と言っていたのが結実してしまったのだ。
まさに瓢箪から駒。
歌いに行ってしまうと会話する暇もないから、ということで、まずは会食。
コースとまでは行かないが、少しだけ贅沢な釜飯御膳にした。
選んだ理由は「胃に優しいから」そして「時間がかかりそうだから」。
お互い飽食気味で、料理そのものよりも会話優先といった感じだった。
納得してそういうお店を選んだぐらいなので、当然のように話は弾む。
ただ、四方山話や趣味の話といった明るい話題はほとんどなく、むしろ身の上話が多かった。
一人で抱え込んでいると暗くなってしまうような話でも、何故か笑顔で発散できる関係は貴重だ。
食後、いざカラオケ屋に移動。妙な緊張で、二人ともおかしな笑いが顔に張り付いている。
自分の意志で遊ぼうとしているだけなのに、何故か「どうしてこうなった」と思ってしまう。
相手も同じ顔をしていたので、恐らく似たような感情だったのだろう。
なかなかその緊張が取れず、一曲目では声が真っ直ぐに出なかった。
一曲目は準備運動なので、声域ど真ん中で高低差が少ない旋律のものを選んでいるのだが。
まあ状態はお互い様だったので、それでよしとする。
選曲は特に「縛り」なし。気の向いた順に好きな曲を入れていくと、全くかぶるものがなかった。
全く知らない曲を聞くのも悪くない。
「こういうのが好きなのね」という気づきみたいなものもあるし、新しいものを知ることも面白い。
何より、他人様の歌っている姿を観察するのが面白かった。(意地が悪いかもしれないが)
選曲も発声もノリノリなのに、表情だけ深刻すぎるほど真剣。
だからこそなのかは分からないが、話す声からは想像しがたいところにある美声を拝聴できた。
自分の番にはひたすら歌い、相手の番には聞いているだけ。
本気で遊ぶのは本気で楽しい。
地下街のお店でおやつ休憩。
ほんの一休みして解散かなと思っていたが、気がつけば5時すぎ。
1時間ぐらい話し込んでしまっていたらしい。
仕事の引き合いメール着信に促されたような形で席を立ち、やっと?駅で解散。
それにしても、こんなことってあるのね。
些か魂が抜けたような気がしないでもないが、心底から楽しかった。