それぞれの籠城

家人を都内の開発合宿に送り出し、週明け納期の案件に着手した。
週明け納期なのはよいが、入稿があったのは金曜の夜10時。
しかも8時半に受けた電話での分量より倍も多かった。
勢いこちらも籠城態勢で臨む。


缶詰になって業務に勤しむのは共通しているが、あちらは合宿こちらは留守番である。
翻訳合宿などないし主催する気概もないので恨みっこなしだが、少し羨ましい。
期待以上の環境で快適に過ごしている旨、次々とつぶやきが流れてくる。
こちらは通常どおり自室で執務しているので特に不満はないが特筆することもない。
会社の定款なので間違い探しの度合いが強いぐらいだ。
仕事をしている間は退屈もしないし寂しくもない。
少し冷えてきたら温かい飲み物を摂り、淡々と作業を進めるのみ。
恐らく数人は同じような土曜日を過ごしているだろう。
最近は目にするつぶやきも減り、緩やかな連帯感もかすれてきた。
人は人、自分は自分。
分かってはいるのだが、毎度そこに戻っていいものだろうか。

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