何も変わらない部屋で

事情あって、こまを一晩外泊させた。
後日の不在予定に備えて、外泊に慣らしておこうというのが主な目的である。
また、預け先にも同種のインコがいるため、その相性を見る必要もあった。


預け先のご厚意に甘えてというのが正しいところである。
自分の勝手な都合で置いてきたにも関わらず、空っぽの籠を見上げるのは寂しい。
食後に団欒するきっかけもないし、夜が明けても呼ぶ声はない。
自分が家を離れてしまっているときは感じないのだが、やはり何か欠けた気がする。
預け先は心配して何度も連絡をくれた。
飼い主が立ち去って呼び鳴きを続けていたとか、それがようやく落ち着いたとか。
あの子はどういう気持ちなのだろうか。
意外と平気でいることを願ってみたり、それはそれで寂しいと思ってみたり。
大事にしているつもりではあるけど、身勝手でごめんよ。
同様の感情はあまねくニンゲン様にも抱いているものではあるが。

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