例年この時期は三浦海岸で河津桜を眺めているが、今年は湯河原に梅を訪ねた。
幕山公園を舞台に4000本が咲き誇る、その名も「梅の宴」。
スマートフォンのカメラどころか肉眼でも一望しきれない規模の梅林はまさに見頃。
樹高2mほどの梅は遊歩道から触れるほど近い。
一口に梅と言っても青みがかった白から目に刺さるような緋色までいろいろあった。
仄かな甘い香りが遊歩道を包む。
絞り咲きや紅白の咲き分けなど多くの品種がある中で、目を引いたのはこの木。
ふんわり大ぶりの白梅とやや寂しげな紅梅が数輪単位で咲き分けている。
そして何より、綻ぶ寸前の蕾に強く惹かれた。
爛漫に咲き誇るさまより咲き始めやその寸前のほうに春の訪れを感じる。
三分咲きがお目当てではなかったのだが、これが見たかったのだという気分になった。
梅林を下りて公園の石垣に目をやると土筆がちらほら。
早咲きの桜で先取りするより、こちらのほうが好みかもしれない。