昨日の今日で切符と宿を手配。円高と季節外れに感謝!

流石に二人分の往復券を買うほどの現金は持っていなかったので、昨日は予約だけだった。
宿を決めてからでないと路銀が算出できないので三軒だけ候補を提案してみる。
私の一存でいいと言われたが、それは則ち「手配しといで」というお使い指令でもあった。
たまには(最初で最後だろうが)自分で働くのも悪くないので、あっさり承諾する。
だいたいの予算は見えたので少しそれより多めに円を換え、まず切符を買いに向かう。
今年できたユーロ(中国語では”欧元”)とやらのおかげか、嬉しいほどの円高。
裏では一万円が八百元前後という未曾有の美味しい相場である。
更に北京西路の国際旅行社を訪ね、宿が今いくらになるか聞いてみた。
ここの六階には日本語のうまい社員さんがいるので交渉に困ることがないからだ。
ものの本によると、季節によって観光地の宿泊費は大きく変動するという。
しかも、三つ星以上のホテルは旅行社を通して予約する方が個人で頼むより安いらしい。
結果。五つ星「桂林帝苑酒店」一泊が何と四十八ドル!朝食を付けても六十六。
定価は百三十で朝食なし。思わず「本当にここですか?」と聞き返して笑われた。
でも十一月の三つ星より安いなんて驚かずにはいられないのが田舎者である。
ともあれ二重の好運で懐にはかなり余裕ができた。お土産を買い漁るのもいいかもしれない。
ただ心配なのは、オフなだけに漓江下りの船が出ないかもしれないということである。
人出と水嵩の両方が十分であってくれないと…..まぁ週末に出ないことはないと思うが。

瓢箪から独楽。旅行することに。

例の商社マン(十一月参照)は私と同様、今学期いっぱいで当学院を去るらしい。
名残り惜しいやら遊び足りない気がするやらですね、と声をかけてみると旅行の算段があると言う。
冗談半分で一口のせて欲しいと言ったら「そういや君もだな」と旅行の本を出してくれた。
北の西安に行こうか、南の桂林にしようかと乗気な様子。どっちも魅力的なので迷う。
いろいろご馳走になりながら何時間うだうだ考えていただろう。結論は「両方!」
もし私の帰国便を十七日に遅らせることができたら、先に北へ後で南へ行こうということになった。
日程を書きだしてもらい、いける場合と無理な場合を考える。来週が無理なら桂林が優先。
善は急げとばかり航空会社の代理店へ行ってみたが日曜は座席が最早ないとのこと。
話しておいた通り桂林への往復航空券を予約して報告に戻った。
場所が決まった以上は勉強するように、と何冊も本を渡される。面白いが重い。
むこうに着いてからの日程うんぬんを考えるのが私の「宿題」ということになった。
どこに宿を取ってどういう順で回るか。更に「何でも質問には答えられるように」とのお達し。
まぁ学校の勉強じゃないんだから頭がついていけないことはないでせう(笑)。

授業再開。意外に出席率がいい。

たかが十回、されど十回。今日から二週間だけまた授業がある。
いつも月曜は教室が空いているので、ほぼ全員が現れたのを見てやや驚いた。
先生も一言目は「新年好」。気分が新鮮だからまぁいい休み明けなのかなといった感じ。
教科書の本文がなまじ挨拶状なものだからか、まず年越しの話をせよということになった。
旅行に出た人やら国に帰っていた人から、全くの寝正月まで色々なものが出てくる。
が、私を初め日本人学生は開口一番「何もなかった」で顔を伏せてしまう。
「なかった。けど、大晦日だけ…..」と言うと先生、「それだけありゃ十分よ。」
いわく、日本人は自分のことを話すのに遠慮しすぎるんだそうな。遠慮かいなぁ。
で、先生本人が仕事づけで面白くも何ともなかったというのを実は言いたかったらしい。
そりゃ私と大差ない年で徹夜ばっかりしてたら機嫌も悪くなるわな。お疲れさま。

昨日の今日で時計を買う。高いか安いか。

小さい目覚し時計ぐらい道端の屋台で買えばいいかと思い、通りに出る。
しかしどうしたことか、昼間だというのに一軒も屋台が出ていない。今日に限って。
相変わらず埃っぽい街でも彼等がいないと何か物足りない感じがする。
ともあれないと仕方ないので、通りに面したスーパーで目覚ましを物色。
電池が別売りで十四元二角という一番ちゃちなのを買った。動くか少し不安。
どうせ校門前のスーパーにもあるだろうからと思い、電池は探しもせず帰った。
そして朝食用のパンを買うついで校門前のスーパーに行くと、…..ない。
普通のマンガン電池はいくら探しても単一と単二しか置いていなかった。
単三のはというと、デュラセルのアルカリ電池しかも二本組しかない。
そんないいの要らんのに、と思いつつ仕方なく買う。これが十三元。
因みに中国では電池の号数が日本と違う。「単三」は「五号」に相当する。
いざ、充填。もしこの五号電池が単三じゃなかったらどうしよう、どきどき。
もしこの目覚ましが不良品で動かなかったらまた交渉に行かねば、どうしよう。
動かない。電池か?本体か?どっちが悪いんだろう?それとも入れ方がまずいか?
だめもとで悪あがきしてやろうとばかり電池を叩くと、果して秒針が動きだした。
ほっとした。電極がちゃんと着いていないせいらしい…..ということは、また止まる?!

何気に荷物の整理をしてみる。いらんことした。

お土産やら買い込んだ本やらを早目に整理してしまっておこうと思い付いた。
後々になって焦るのも厭なので暇つぶしがてら夏服の圧縮から始める。
「衣類圧縮パック」はいい。ただ押しつぶせばいいので掃除機も要らない。
衣類の体積が半減するだけでも持ち運べる荷物の量は質的にかなり違う。
潰した服を密輸用(笑)のトランクに押し込み、他の荷物とにらめっこ。
お使い物の漢方薬を棚から取ろうとした時、事件は起きてしまった。
ものすごい音がしたかと思うと、目覚し時計(中国製・ゼンマイ式)が足元に!
針が止まっていたのでネジを巻き直そうとしたら、却ってとどめを刺してしまった。
振っても叩いても動かない。挙句かちゃかちゃ何かかけらの動く音が…..。
残りたった半月の為に時計を買い直すのは実に惜しい。が、致し方ない。
授業に遅れる訳にはいかないが、連休ぼけで寝坊の癖がついているから必須なのだ。
それにしても夜九時を回ってしまっては買物に行く訳にも行かない。何という間の悪さ。
たった一つだけ有難いのは、明日が日曜だということだ。

二日酔で起きられない。洒落にもならない寝正月。

その辺を飛び交う情報によると、街では日本人のための新年行事が色々あるらしい。
花園飯店でもちつきがあるとか、うなぎ屋が特製おせちの宅配をするとか。
しかしそんなことはどうでもいい!まず私の眠気と頭痛を何とかせねば。
そもそも朝食を摂って自室に帰り着いたのが午前八時である。眠いのも当然。
そのまま倒れて寝てしまおうとも思ったが、頑張って顔を洗い入浴まで済ませる。
乾いてぱくぱく云っているコンタクトを外して消毒液に漬込むと、もう九時だった。
起きる。着替える。昼食。学食で昨日の面々のうちの一人と会う。彼も眠そうだった。
戻るや昼寝。頭痛は取れたが三時間程度の睡眠ではまだ活動力が得られない。
やっと良く寝た感じで目覚めてみると、月が出ていた。あーあ。

別に上海らしくはないけど変わった年越し。

退屈して切手を買いに出たら、立ち寄ったスーパーで見慣れた顔に行き会った。
何故か相手の機嫌がよくジュースを買ってくれたので、会客室でしばらく喋る。
予定がなくてつまらないんだと言ったら「他の連中もいるけど」と飲みに誘ってくれた。
面々が一応みんな知っている人なので二度返事でついていくことにする。
串焼のお店で「蛙の腿」なるものを食す。なかなか旨い。まさに鳥と魚の中間のお味。
ほかに鴨の舌やらマナガツオのような魚から、色々とりながら卓上の炭火であぶって食べた。
そして考えてみればお初だったのだが、飲んでいたのはかの有名な青島ビール。
食べる方が主だったので余り飲まされもしなかったし、酔いもしなかった。
一息おいて個人宅で二次会。年越しそばならぬ年越し素麺をやろうということになった。
そばは日本の食材なので余り見掛けられないが、素麺は中華食材にもあるらしく近所で買える。
形だけでもということで材料を仕入れて行ったはいいが、ガスコンロ故障にて不発。
ともあれ参加者が増えて飲む方が主の年越しパーティーとあいなった。
後から来た三人はビールや酎ハイなんかの軽いものしか飲まなかったが、日本酒が入る。
飲み口がよかったので、つい「乾杯」の時に文字どおりコップを干してしまった。真赤になる。
ほどよく(を通り越して?)酒が回ってきたところでカラオケ大会。四時間ほど続く。
幸い近辺の住人が留守だったらしく苦情は言われずに済んだ。それをいいことにすごいやかましさ。
最初みんなで初日の出を見るはずだったのに、抜ける人や寝込む子が出てきた。
あげく、曇でお日様そのものが見えないという新年。たまにはこんなんもありかな。
そして二日酔で割れそうな頭を抱え、男の子と午前様(これだけ見たらすごい濃さだ)。

夕方から一ヶ月ぶりぐらいの雨。何でよりによって今…..。

午前中は篆刻もどきで遊んでいたのだが、他に何もしなかったせいか疲れた。
昼食を摂ると満腹感も手伝って眠気もひとしお。暇に任せて昼寝してしまう。
妙に冷え込みを感じて目覚めると、もう夕方だった。しかしこの寒さは尋常でない。
しかしここ数日いい感じで温暖な気候が続いていたので忘れていたが、そういえば今は冬か。
寝起きのぼけぼけした頭のまま外へ出て、やっとそれが雨のせいだと気づいた。
でも傘を取りに戻るほどの本降りでもないのでそのまま学食へ。
ここ上海は海岸性気候のくせに放射冷却型の冷え方にならない。晴れるとぬくいのだ。
晴天が続くほど小春日和もついてきて過ごし易くなる。今月中旬あたりからずっとそうだった。
そういえば先月いきなり冷えたのも急に最低気温が零度を割ったのも雨の日かその次の日ぐらいだった。
また明日から寒くなるんだろうか…..「五度から十度」の予報が当りますように。

家からの連絡に驚く。帰る時に実家は存在するのか?!

帰国日程こそ決まったものの、田舎にいつ帰るかまでは考えてもいなかった。
そこに母からのメール。「うちを取り壊して全面改築します」…..うっそぉん!
確か夏に帰省していた時は二階と浴室だけ改築するとかいう話だったのに、全面?
契約内容によると、二月から四月までは業者の借り上げている家で仮住いになるらしい。
ということは、春休みを待って帰ろうとしたら「うち」がない?
それじゃ下宿の荷物はいつどこに運んだらいいんだろう。にわかに困った。
大阪でだらだら遊んでいるどころでなくなってしまったのは確からしい。
この人生最後であろう春休みが引越し作業の手伝いで費えてしまう確率は濃厚。
まぁ家族の一大イベントに参加するのも悪くないか、と思うしかなさそうである。

久々に近所の本屋を覗く。今更辞書。

余りにもすることがないので、久方ぶりに近所の本屋へ足を運んだ。
ゴミ・痰だらけのきちゃない通りに似つかわしくないほど本屋はきれいである。
暇つぶし用の本でも買おうかと思っていたのだが、立ち読みに方向転換した。
安いからといって余り本を買い込んでしまうと帰りの荷物が怖いからである。
一階は地図類や文具、二階は教材類と読物、三階はパソコン関係と実用書の売場だった。
とりあえず上から順にと思い、人気の少ない三階でだらだらと色々な本を見て歩く。
パソコン関係の本が想像以上に多かった。ワープロ指南書から開発言語まで、かなりの品揃えである。
用語辞典を買おうと思ったが我慢する。どうせあっても役に立つまいし、見ないに限る(笑)!
面白かったのは生活方面の売場に医学関連の本が多かったこと。医者の述懐まであった。
按摩の本には眼精疲労から癌まで、笑えるほど幅広い範囲で目的別の小冊子が出ている。
薬効から栽培方法まで載っているアロエの本をつい買ってしまった。解釈がやはり日本と違う。
素材別や地方別の料理本も色々あるが、今ひとつ食材や調理法の固有名詞が解らない。
食材まで図解してある本なんてそうそうある訳ないのだが、暇に任せて探し出してしまった。
流石に覚えるほど長時間は見ていられないので、やっぱり中の一冊を買うことに。…..。
二階へ。重いからという理由だけで、語学留学に来たくせに中国語の辞書は持っていなかった。
しかし考えてみると今ここで買って帰った方が日本で探すよりは経済的にお得である。
知っている本で値段を較べると、関税のせいか軽く三倍は違う。
日本でなら恐らく三千円はするであろう中型辞書が五十五元(八百円前後)!
これは買いだ!とばかり、あっさり節を枉げて買ってしまった。
辞書をぶら下げたまま立ち読み続行という訳にも行かないので、おとなしく帰る。
それにしても中国に来てまで本屋で散財する癖が抜けていなかったとは、うぅむ。