なんたってこんなたよりないものをひとはめでてしまうのだらう。
雪の残る庭で藁つとを被って震えるように咲く冬の牡丹。
上野東照宮のものだが、特にありがたい由来はないようだった。
枝だけ写り込んでいる枝が本来の花期に咲くものらしい。
穏やかな日差しを浴びてなお寒い上野には、先日の雪が残っていた。
地面が冷たいのか、鳩たちは桜から降りてこない。
本来は暖かいのだと言わんばかりに実った晩柑。
このぐらいが今の季節感なのだろうか。
違う意味で寒い。東京らしい冬だと思った。