許されざる言動

よく見聞きする言葉に違和感を覚えて指摘しては「いちいち噛みつくな」と言われる。
発信元に是正を依頼するわけでもないのだから、ただの煩い愚痴なのだろう。
ただ、よくも悪くもごく親しい相手にしか漏らしてはいないはずだが。

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新しい初めまして

送別会に行ってきた。
初めましての人が一人とお久しぶりの人が一人。
他の参加者と初顔合わせということもあり、自分語り他人語りに。
新しいつながりができてよかったと思う。

食卓いっぱいの「あるある」

中日翻訳のセミナーがあるよ、と声をかけてくれた人は静岡在住の同業者。
お互い折角はるばるやって来るのだから、お昼でもご一緒しようかということに。
上等な鰻重をつついたはいいが、週末だからか店が混雑してきたので早々に場所を移した。
セミナー会場の場所を確かめて、その近くのカフェで話し込むこと小一時間。
日常生活をどうしているのか、仕事はどんなものが多いのか、話題は尽きない。
何でも屋で専門性が薄かったり、中華企業に値切られたり、やはり似たような体験をしていた。
具体的な数値はあまりに哀れなので日記に綴るのも憚られるが、相場の話も。
その後のセミナー内容とも合わせ、おおよそ自分の路線で間違っていないと確認できた。


セミナー後に会ってくれたのは、英日/日英のこれまた「何でも屋」さん。
何でも屋の悩みは取扱い言語に関係ないので、あまり「私の場合は」という話にならなかった。
手みやげは悪戯半分で西日本版のカップ麺。大笑いして喜んでくれた。
「この前はありがとう、お礼にこっちのお菓子を」とこじゃれた焼き菓子を頂き、恥ずかしくなる。
野菜を主役に据えた食べ放題の店だったのだが、制限時間になっても追い出されなかった。
追い出されたらお茶しに行こうかとも話していたものの、結果として不要に。
共通の仲間を含めた近況がやはり話題の中心だった。
前に遊んだのがすごく昔みたいだね、という感覚も共有。
実際は去年の9月と12月なので、それほど時間は経っていないのだが。
性質上どうしても孤独な仕事だけに、こうして仲間がいるのはやはりありがたい。
それこそ言語も違うので、直接の利害が生じることはないのだが。
「私ってばこんな性格だから」で共通点が見つかったのは正直かなり意外だった。
共通点があるからこそ、話していて楽しいし、いくらでも盛り上がるのだろうが。
敬愛する先輩の一人なので、嬉しいような気恥ずかしいような。
外が涼しいので一つ先の駅まで歩き、今度は関西に来てくださいよと笑いあって解散。
きっとまた、どちらがどちらを訪ねても、たっぷり楽しめるだろうと思う。

つながる、はみ出る楽しみ

ついったーのアイコンが日本翻訳連盟(JTF)機関誌の表紙に掲載された。
JTF.gif
JTFの会員でも関係者でもないのに気恥ずかしいが、顔写真ではないのでよしとする。
編集委員の方から掲載したいと打診があったのでアイコン画像を送ったまで。
話の経緯は全く知らないし、掲載誌を見せてもらったが内容にも関係はなさそうだった。


厳密に何日とは覚えていないが、ついったーで実名を使うようになって今月で一年。
もっと前から使ってはいたが、皆さんとの交流が盛んになったのはそれからのことだった。
ごく少数の例外を除き、同業者からは名字で、鳥仲間からは名前で呼ばれるように。
人名らしからぬ「ユーザー名」よりもよほど呼びかけやすかったのだろうか。
近くに住む人と時々ご飯を食べに行ったりできるようにもなった。
東京へ出かけるたびに遊んでくれる人々も。
こうしてかまってくれる人々をネット上の人間関係だと割り切りたくない。
割り切った方が楽な日もあるかもしれないが、ネットをはみ出た関係のほうが面白く感じる。
つながるきっかけがネットでありついったーであったというだけで。
公園に居合わせたとか、同じ電車に乗っていたとか、そういうものに近いような気もする。
出会いが何であれ、親しくなれる人とはなれるし、続く人とは続く。
他の場と違うのは、こちらから声をかける抵抗感がやや薄いことだろうか。
ゆえに、相手や第三者を傷つけうる発言だけはするまいと気をつけてはいる。

女子会ごっこ

下戸だけど飲みたい、とつぶやいたら、お相手してくれる人が二人も現れた。
あれよあれよという間に本場の鶴橋で焼肉を堪能することになり、夕刻に待ち合わせ。
二人は初対面だそうなので、勢い私が引き合わせる形になった。
駅前すぐに鯛焼き屋があるので覗き(別項「一輝」)、市場で少し買い物をしてから焼肉屋へ。
三人のうち、まともに飲めるのは一人だけ。
私は最初の一杯だけ葡萄酢のサワーにしたものの、あとは飲まなかった。
盛り合わせ、生肝、塩タン、赤身ロース。
次々と注文しては焼き、箸を延ばしたが、黙々とではないところが女子会たる所以。
他言すると角が立つ内容も一部あったので、話題については記録を避ける。
まあ酒の席の無礼講というほどひどいことも言ってはいないのだが。
派手に盛り上がるということもなく、意外にまったりと食事会の空気だった。
同業つながりとは言え、互いの日常や仕事に接点はない。
だからこそ気楽に食事ができるのかもしれないが。
フリーランスにも勤め人にもそれなりの苦労はあるし、旨みや生きる知恵みたいなものもある。
特にそれをひけらかそうともせず、聞き出そうともせず。
生キャベツと一緒に噛みしめながら、何事も安直に決めつけるものではないなと思った。

亦タ楽シカラズヤ

「心配してたんですよ。どう声をかけたらいいのか分からなかったんですが」
彼女は笑顔だった。
それだけで全ての気苦労が救われた気がする。
同業つながりの友人が東京から出てくるというので、京都で落ち合って川床で会食とあいなった。
曇天のせいか黄砂のせいかすっきりとした景色ではなかったが、意外と快適な鴨川。
どうせなら京都らしく、という話になり、京会席弁当のミニコースをつつく。
冒頭のとおり、時候の挨拶でもなく近況の交換でもない、少々もやっとした話ばかりしていた。
「やっぱり見かけないと心配するし、久々に見つけて安心したんです」
該当者は私だけではない。
しばらく「つぶやき」がなかった仲間内を彼女はそっと心配していた。
だったら直接そう伝えればいいのに、と答えてしまったが、そうもいかないのは承知している。
お互い悪意がないのは前提として共有しているので、それも笑って流せた。
それでちょうどよかったのだと思う。


事前に聞いていた予定はあらかた済んでいるとのことで、些か拍子抜けした。
冗談半分に鯛焼きのハシゴでもしようかと言い出したら、瓢箪から駒で実現することに。
折角の京都なのにそれでいいの?と念を押したが、折角だからそれでいいのだという。
京都観光ガイドブックも持参していたし、観光マップも手元にあるのだが、敢えて。
それも滅多にできることではないねということで、歩いて一軒目に向かった。
(鯛焼きについては別項)
地下街やら店内やらを歩いていて、方向感覚に感心される。
地図を子細に読み込まず、自分の中の座標軸で歩いているのだと答えて更に驚かれた。
言われてみれば確かに、そういう感覚の持ち主は限られているかも知れないが。
地下鉄四条駅と阪急烏丸駅の改札を間違えたりしたので、偉そうなことは言えない。
特に気にすることもなく笑い流し、わざわざ地下鉄を乗り継いで次の鯛焼き屋へ。
ぶつくさ言いながら鯛焼きをかじっていたら、流石「鯛焼き部長」だと笑われた。
「鯛焼き部」の創設者に失笑を買っていては世話はない。


鯛焼き屋は3軒メモしてあったのだが、2軒目のものが重量級だったためハシゴは中座。
二条城に行こうか北野天満宮にしようかと歩きながら相談たが決まらないうち結構な時間に。
ご主人と合流する待ち合わせ時刻が決まっていないと聞き、京都駅へ行っておくことにした。
JR京都駅ビルの、その名も「京都茶寮」で時間調整。
選べる生菓子のうち二つがういろう素材のものだったので、一つずつ注文して半分こした。
「ういろう部長」は「感激~」と言うなりにこにこと黙って即座に完食。
「鯛焼き部長」と違って蘊蓄をたれる趣味はないらしい。
返す返すも自分の言動が恥ずかしくなる。
「いいじゃないですか、愛すべきキャラってことで」
いいんだろうか、その言葉に甘えて(浮かれて)…とりあえず照れている。