もう一歩、だったのかな?

朝ディスポーザーの配水管が詰まったので会社を休む羽目に。
流し台に故障時の連絡先と書いてある電話番号はなかなかつながらず、
つながったのはいいが漏電点検をさせられる。
「だから配水管の詰まりだって言ってるぢゃないですか」
「そういうことはマンションの管理会社に……」
それを早く言ってよ。
管理会社と何往復か電話したあと、
何故か修理会社ではなくメーカーから人を派遣してくれることに。
待っている間かなり手持ち無沙汰なのでメールチェックなぞしてみると、
Ameliaの事務局から「請求処理をするように」とのお達しが。
実は出版翻訳企画の持ち込みを仲介してくれていたのだ。
企画としては半年以上も前に採用されていたのだが、
版権の確認やら翻訳者の選定やらに出版社が忙殺されていたらしい。
そして、翻訳書が出したくて応募していたのだが、翻訳者選考には漏れた。
まぁ出版物なんて雑誌の一部記事ぐらいしか経験がないし、専門分野でもないので致し方ない。
ただ、今更「それじゃ企画料だけでも」とは言い出しにくいのが引っかかっていたのだ。
事務局が指示を出してくれたので心置きなく請求書を作成できた。
めげずに他の本も発掘して持ち込むべきかは色々と悩みどころである。
専門分野のなさがこんなところでも痛いとは、とほほ。

いつの日記にしたらよいやら

ここのところ休みなく翻訳受注があり、ばたばたしていた。
昨日に至っては疲れて夜間作業ができなかったのだ。
会社仕事でも翻訳仕事でも、だいたい「疲れ」は頭や目に来る。
ところが今回は、頭も目も休んでいた訳でもないが、手指が疲れた。
左手の薬指と小指の間がつったように痛くなり、薬指が麻痺してきたのだ。
まぁ手元の仕事は土日に片付ければよいだろうと自分に言い聞かせ、休憩することに。
仕事にありつけるのは本当にありがたい。それは今でも変わらない。
ただ、本当に毎日となると兼業そのものが一種の苦痛になるのだと実感した。
今回は左手の一部だけだが、動かなくなってはどちらの仕事もできない。
一日も休みがない時期などそうそう続くものではないだろうが、
そろそろ仕事量の調整も意識しはじめるべきなのだろうか。

好運

自宅マンションの防火設備点検に備え、勤務先を休んだ。
この日の午前中は在宅のこと、と指示されており外出はできない。
せめて1時間単位で指定してくれればいいものを、
3時間も拘束されるなんて宅配便より厳しい。
暇だからといって朝風呂に漬かる自由もなく無聊にしていると、
携帯電話が鳴った。メール着信とあるので勤務先からではないようだ。
見ると「翻訳依頼」とある。
パソコン用アドレスに依頼を送ったので確認してほしいとのこと。
ありがたいことこの上ない。
早速パソコンで確認してみると、Word原稿だった。
テキスト変換の必要がないのでA4で3頁も長くは感じない。
納期は明日いっぱいとあるが、今日中にはできそうだ。
何しろ家を出られない。
設備点検そのものは昼前の微妙な間合いで始まった。
室内の火災報知器をざっと見た後、ベランダの避難梯子を点検。
梯子が短いと指摘された。
勿論、売主にも報告するとのこと。
確認書類に認印を押して、対応完了。せいぜい10分ぐらいで済んだ。
それからひたすら翻訳作業。
原稿を受け取ってから訳文の体裁を整えるまで約4時間。
これでも報酬は勤務先の給料を日割りしたものといい勝負である。
尤も有給を使っていることを考えれば二重取りなのだが。

間違いではないが正しくない

ありがたいことに昨日とは別の会社から引き合いがあった。
電話で担当者が申し訳なさそうに
「文字が小さいので文字数を数えるとちょっと多めに…..」
別に文字数は(引き合い時点で)気にしない、と答えると
「……じゃPDFでお送りします」とのことで商談成立。
いざそのPDFを開いてみると、元原稿は雑誌記事らしかった。
割とよく見る段組なので、特に細かいという感じはない。
どうして彼女は字の小ささを気にしていたのだろう、という程度だ。
問題は字の小ささではなく潰れっぷりであった。
見るからにFAXで潰れた漢字たちがのたうちまわっている。
また翻訳よりも原文解読に手間隙のかかるパターンだ。
黒すぎたり白すぎたりする字ばかりで先が思いやられる。
が。「ChinaScan2」は思っていたより優秀だった。
肉眼では何だか分からない塊ですら、字になり文になるのだ。
前後の文字が読めれば「困ったちゃん」もなんとか判る。
識字率90%という謳い文句は誇大表現ではなかったらしい。
結局それでも読めなかった3箇所は、注をつけて担当者にお願いした。
3箇所で済んだだけいい、と心から思った次第。

仕事始め

そもそも、飛行機が離陸した時点でのんびりしている。
ややお恥ずかしいながら、新年で初の受注。
翻訳稼業は小正月を過ぎてやっと始動にこぎつけた。
短い手紙文で納期は明朝。
肩慣らしのような気もするが、手紙文は侮れない。
日本語(のネイティブ)には通常ない表現が結構あるのだ。
英訳はできるけど和訳はちょっと、という文が複数ある。
なくても意味は通じるのだが、訳抜けと思われるのも問題になる。
直訳だったら学生でもできるのだから、ここが頭の使いどころか。

この訳文は、いい味を出していると思う。

以下、無料「翻訳」サイトによるその「英訳」
#括弧内は翻訳機能の提供元
Excite(BizLingo)
I think that this translation has put out a good taste.
@nifty/OCN/Infoseek/Livedoor(Amikai)
I think that this translation is taking out the good taste.
Yahoo!(CROSSLANGUAGE)
I think that this translated sentence gives good taste.
フレッシュアイ(The翻訳)
I think that this translation is taking out the good taste.
訳してねっと!
This translation thinks about I put out good taste.
Google/WorldLingo
As for this translation, you think good taste is put out.
思うところあって、やや意地悪な日本語文を英訳させてみた。
「この訳文は、いい味を出していると思う。」
隠れている主語(私)を無料サービスの範疇で見つけられるか?
「思う」の主語「私」を訳出したところは意外にも4例あった。
日本発でないサイトの仕事はと言うと、
偶然にも?Google言語ツールβ版とWorldLingoの訳文が完全一致。
ここでは「思う」の主語が「あなた」になっている。
何か得も言われぬ味を感じる。
光っているのは「訳してねっと!」の結果だ。
何でそうなる。
ご丁寧にも主語が逆転している。
敢えてその「訳してねっと!」作品を他サイトで反訳してみる。
This translation thinks about I put out good taste.
Excite(BizLingo)
この翻訳はハイセンスに置かれたIについて考えます。
@nifty/OCN/Infoseek/Livedoor(Amikai)
この翻訳は約Iつの消されたよい味を思います。
Yahoo!(CROSSLANGUAGE)
この翻訳は、あたりを、私が良い味覚を出したと思います。
フレッシュアイ(The翻訳)
この翻訳はIつの消されたよい味に関して考えます。
Google/WorldLingo
約私がよい好みを消すことをこの翻訳は考える。
そしてトリに「訳してねっと!」
この翻訳はその辺りで私は良い味を消すと考えます。
……こっちでは主語の逆転がない模様。
まぁ英文にはIって入ってるからなぁ。
そして訳文はご覧のとおり揺れに揺れている。
機械翻訳の出力をそのまま機械翻訳にかけるから
ここまで元とかけ離れるという事情はある。
それにしても、流石にまだ無料には負けないで済んでいるようだ。

分かるけど解らない

ソウルの翻訳会社から英文和訳の依頼。
ぱっと見たところ一般文書で難しくはなさそうだった。
あまり複雑な構文は使われていないようだったので、
まず下訳としてエキサイトのテキスト翻訳にかけてみる。
ほぼ期待通り、6割ぐらいは信頼できそうな日本語文字列ができた。
得られた文字列を1ファイルにまとめて保存。
次に、英語原文と上記「訳文」を対訳の形に並べて比較。
両方のファイルをTradosのWinalignに読み込んだ。
日本語の修正や文体の統一(=実質的な和訳作業)に3時間ほど。
結果をTrados翻訳メモリ形式に書き出して一休みした。
あとはこの翻訳メモリで原文を処理するだけだ。
ほぼ自動的にできるはずだった作業が、実は一番の番狂わせだった。
対訳として表示されるはずの日本語が読めない。
最初は西欧言語の、次は韓国語のものらしきフォントで文字化け表示。
……今までの時間は文字化けで台無し?
ところが翻訳メモリそのものを見ると日本語が保持されている。
どうも、翻訳メモリに格納されている日本語のフォントが
初期設定と違っていると文字化けを起こすらしいことが分かってきた。
とはいえ元は単純テキスト、フォントの設定など全くしていない。
原因やら回避策やらは解らないものの、とりあえず対症療法だけすることに。
すなわち、翻訳メモリ上の日本語をいちいちコピーして
訳文ファイルへテキスト貼り付け。
段落の数だけ繰り返す単純作業に2時間余りを浪費。
3時間強でできるはずの仕事に結局6時間弱かかってしまった。
これでは時給換算で割に合わない。
翻訳そのものは難しくなかっただけにより腹が立つ。
……そもそも英文ファイルを韓国語フォントで送ってくるほうが変では、
などと他人のせいにしてみる。

私は何だったのだ

とある海外の翻訳会社からフォローアップなる通知が来た。
訳文の品質保証と銘打って登録翻訳者の整理をするという。
ついては添付のプログラムに参加するように、と読めた(英語)。
確か書き出しには取引を継続したい旨があったのだが……。
そのプログラムとやらの第一段階として、履歴書の登録が案内されていた。
まぁそのぐらいならどこの翻訳会社でも普通にやっているし、
むしろ今まで(既に数件受注)要求がなかったほうが不思議なくらいだ。
ところが、その履歴書を送付する時点で第一次スクリーニング=足切りに遭うことが判明。
履歴書を送付する資格要件として、通訳・翻訳専門の学位があれば実務経験4年以上、
それ以外の学位であれば実務経験7年以上とあるのだ。
自慢ではないが、私はどちらの要件も満たしていない。
プログラム参加資格がそもそもないではないか。
この基準を満たしていない私が過去やった数件って、会社の責任のもとにちゃんと納品されたのか心配。
引き合いどころか報酬の入金に至っても素性を全く確認されなかったのは私の非だろうか。
でも明らかに私は基準外だ。
逆恨みだったり義憤だったりといった感情はない。
ただ、その素晴らしい矛盾がどう解決できるのか疑問だ。
私のような馬の骨への発注自体が件数として無視できるならばよいが、実際のところどうなのかが他人事ながら非常に気になる。
・下請け総数が激減して困らないか?
・過去の馬の骨の始末は誰かやったのか?
そして、私はどうしたらよいのだろう。
ここは真正直に削除を依頼するのが人間として筋か。
事情を説明する気もできる自信もないが。

ご指名

一番つきあいのある翻訳会社から引き合いが入った。
そのメール本文そのものが泣かせる。
”クライアントの方からも好評を頂きました。
 「大変分かりやすい訳で、満足しています。」”
そのクライアントから似たような依頼内容が来たため私にやってほしい、とのこと。
何よりうれしい言葉のひとつである。
その返信でもちろん引き受けた訳だが、折角のお言葉には感想として「光栄です」と付けた。
何のひねりもなく光栄という言葉が出せた自分に少し驚く。
いつも尊大と自己否定の狭間でゆらめいている私が、素直に光栄だと思ったというのが実は一番の収穫かもしれない。

おかわり

前日、早めに帰宅したり買い物を省略したりと文字通り寸暇を惜しんで英文和訳。
納期まで1日を残してどうにか書式調整まで一連の作業を終えた。
フルタイム翻訳だけしていられるならどうということはないのだろうが、
こういう時に限って会社で打合せが待っていたりする。
打合せが3つ続き、やっと昼食にありついたのが3時半ごろ。
食事の片手間にメールチェックをしてみると、
「進捗報告しにゃならんので、途中まででもいいから送って」とのこと。
幸い訳文ファイルはすぐ出せるところに置いていたので
その返信で「一応は約し終わってます」と添えて納品してしまった。
届いたのかそうでもないのか、帰宅してから確認しても反応がない。
とりあえず終わったとみなすことにしてインボイスを送りつけてみる。
と、数十分後。
「訳文とインボイス受け取りました。
 前のが終わった、ってことで、似たようなのをお願い」とな。
文量は9000字強、納期は月曜。
何となく漠然と不安を覚えるものの、実績からして無理のある日程ではない。
そして担当者のメールの末尾に
「切実なお願いです」って。
まぁそこまで言うなら、と半分うぬぼれて承諾の返事。
それにしても半島の人って考え方の筋がいまいちよく解らない。
島国ほどベタベタでもなければ大陸ほど合理的でもないが、
ちょうど中間というわけでもなく、かといって何か突出しているわけでもない。
……大陸的、島国的の二律背反ではなく、半島的な軸があるのか?