今回のJTFセミナーは講義本体も十分に有意義だったが、交流会にも出てみた。
交流会の参加者には翻訳会社から来ている人が多いので「営業」の機会にもなる。
また、担当者のみならず経営層も顔を出しているので、面白い話も聞けるのだ。
身を置く世界の実情
「徹底解剖!中国語翻訳の世界」セミナーの第2部はむしろ日本側の状況。
(株)シー・コミュニケーションズの大羽社長が需要から人材採用まで幅広く紹介。
同社は通翻兼業と言えるが、中国語(と日本語)に特化した業態である。
上海の翻訳事情(断片)
「徹底解剖!中国語翻訳の世界」と題するセミナーを聴講してきた。
聴講者が80名を超える大盛況。
自分が身を置いている業界ながら、初めて知ったことも多く、収穫は期待以上だった。
簡単ですから
つきあいの浅い会社に限って「難易度は低いので」と値切ってよこすことがある。
ここ1年は端からお断りすることにしているが、そもそも難易度とは何なのだろうか。
個人個人の得手不得手を超越する、客観的に定義できる指標があればよいのだが。
調整作業
実績として最大規模の案件を受注してしまい、複数の意味で総力戦になっている。
人間同士の調整が一番の難点だが、記録しておきたくないので割愛。
せめて自分の範疇だけは統一した世界観で仕事を進めておきたい。
しかし大量にある原稿はPDFで支給されたのだった。
入力効率と作業効率
自分にこれ以上の入力効率は要らない気がしてきた。
そもそも人様と競う必要はないし、そのつもりも毛頭ないが。
日本語文の入力が速いことは必ずしも訳文のそれと等価ではないことに気づいたのだ。
なんにもないけど
専門知識が足りない云々という話を見聞きするたび、いたたまれなくなる。
幸か不幸か自身が取引先からそう指摘されたことはないが。
そういったものを軽んじる気持ちは全くない。
だからこそ、自分が業界の風上にも置けぬ存在なのかと不安になる。
そこで花はない
このところ、大陸系の会社でも安値を要求しないところが出てきた。
提示料金は概ね日本国内≧多国籍≧香港≧台湾>大陸だったのが覆りつつある。
許容しがたければ断ってはいるが、日本企業でも安いところは大陸より安い。
それだけ依頼元企業の考えが変わってきているのか、知る由はないが。
一概に侮るなかれ
専門性を高めよと言う人は複数いるが、では何でも屋はどうすればいいのか。
これまで積み上げてきたものを軸足にしつつ、やはり原則として何でも引き受ける。
仕事をするほど視野が広がるという利点を忘れては勿体ない、という話になった。
上を向け
JATセミナー「翻訳でメシは食えるか」に行ってきた。
あまりにも直接的な問いかけに直前まで聴講を迷っていたのだが、収穫はあったと思う。
流石に今日から使える必殺技とは行かないが、むしろこういう精神論なら歓迎だ。